キジハタの刺身、台湾風ネギ油風味

台湾風とは名ばかりだけど、和から逃避はできる


6月のキジハタがどんなにうまかろうとも、和ばかりでは飽きる。
身色、脂の乗り具合を確かめて、久しぶりに台湾風にする。
一般にバブル期と呼ばれた時代に食べたものを、勝手に真似して作っているものだ。
当時は都心で仕事をして中華街まで仕事という名目でご飯を食べに行く、なんて当たり前だった。
ちなみにボクはただの運転手だったけど、ちゃんと一緒に食べられた。

キジハタは水洗いして皮を引き、薄造りにする。
刻んだエーサイ、香菜、赤ピーマンなど(要するに家にあったもの)を皿に盛る。
ここにキジハタの薄作りを並べる。
この上に散らしたかったナッツ類がないので諦める。
醤油・紹興酒・ナンプラー・砂糖・八角の小さな欠片、辛味が見つからなかったので沖縄のコーレーグスを一煮立ちさせて冷やし、下ろしたにんにくを加えたタレをかけ回す。

煙が出るくらい熱々の太白胡麻油をじゅじゅじゅ


白ねぎを太白胡麻油で素揚げにし、油ごとかけ回す。
このねぎの香りのする熱熱の油に触れたキジハタの身は、ちょっとだけ食感が強くなり、うま味も増す。
タレと野菜と一緒に食べると混沌とした味になる。
意外に八角の香りが強く、大量に入れたにんにくの甘味が、これまたキジハタの身、しゃきしゃきした野菜とからんでうまい。

貸し出しのブツを受け取りに来た若い衆がいたから作れたものだけど、3分とかからず、皿の上は空っぽ。
ご飯をチンして皿に放り込んでやると、たれすら残らなかった。
もっと欲しそうな顔をしている若い衆に、「キジハタって高いんだぞ」というと、大急ぎで帰って行った。

下関角島産キジハタは初めてカも知れぬ


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に山口県下関市角島からアコウ(キジハタ)が来ていた。体長34cm・1.030kg でいい形である。
刺身などいろいろ作って、身質の確認をする。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。


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