今年も初トゲクリガニは雄

4月も半ば、ほぼ一年ぶりの湾内ガニ


青森県のトゲクリガニは春に外海から産卵のために陸奥湾に入ってくる。
その入り口にあたるのが下北・津軽の両半島なのだろう。
このとき陸奥湾のトゲクリガニの盛漁期が始まる。
5月の連休過ぎまで、陸奥湾で盛んにとれる、それで青森市では「湾内ガニ」という。
昔、この時季に青森市に行ったことがある。

1988年、青森市内各所にあった市場に入ると真っ先に目に飛び込んできたのが、逃げ出したカニだった。
逃げ出したのを追いかけて店から出たオバサンに、「つかまえたら持って帰れ(意訳)」と言われたり、あっちでもこっちでも試食試食でとても楽しかった。
これがボクの「湾内ガニ」の初食いである。
クリガニ科なので同じクリガニ科のケガニに味が似ているが、脚の身が締まっており、なによりも内子がうまい。
ただしこの内子持ちの雌は高い。

真2つに割ると、身が盛り上がってくる


今年もまた雄から始めるトゲクリガニなのである。
今回のものは身が締まって非常に甘味が強かった。
みその味など文字に出来ないほどだ。

温めた酒に甲羅からもみそからも、うまいだしが混ざり込む


深夜に食べたので、しめは甲羅酒である。
東京都青梅市の澤ノ井純米酒をとくとくと注いで、ゆっくりゆっくり温める。
みそを溶いて、一気に飲む。
やはり「湾内ガニ」は食べ始めから終いまでずーっとうまい。

青森の湾内ガニは毬栗のようだから棘栗蟹という


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に青森県下北からトゲクリガニがやって来ていた。
当然、雄だ。
できるだけ持ち重りのするものを連れ帰ってきた。

これを10分間ゆでて、冷水につけて粗熱を取り、そのままザルに甲羅を上にして上げる。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。


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