ド深夜に千葉県産トリガイのアヒージョとシェリー
たまの深夜の飲み過ぎ、いいじゃないか

ふとなんとなく深夜に酔っ払いたくなるときがある。
こんなとき日本酒だとやたら飲み過ぎるので、常には飲まなぬ種類の酒を探す。
冷蔵庫の隅っこに「Croft」の瓶が2本もあった。
都心に出たときスーパーで特売していた酒で、名前買いしたのだ。
封を切ってみて、シェリーだと気がついたくらいなので、アンダルシア地方だとかなんとかは、この時点では知らなかった。
甘いもん好きなので、シェリーだけは必ず備蓄していた、その頃の名残かも知れぬ。
冷凍庫に開いたトリガイを見つける。
千葉県産トリガイで、18個もあったため、一度に食べきれず冷凍したのだ。
トリガイで、シェリーで深夜酒というと、スペインのちょいつま、アヒージョかな。
室温でもどしたトリガイに塩コショウする。
これを小型の鉄のパン(カスエラなんてものは使わない)に入れる。
大量のにんにく、三重県尾鷲市の辛い青唐辛子、虎の尾をちょぼっとだけ。
多めのオリーブオイルを加えて火をつけて強火で作りあげる。
ディルを散らして、出来上がり、だ。
ド深夜、PCは寝ているし、ボクの頭はぼーっとしているし。
うんと久しぶりにサッシ窓のレールに座布団を敷き、夜風にあたりながら、始める。
アヒージョは、主役のトリガイとは関係なく、にんにくの香りが素晴らしい。
シェリーは小さなグラスで飲むのが正しいとは知りながら、大グラスに満たして飲む。
アヒージョの香りが、たぶんこれまた邪道のよく冷えたシェリーとよく合う。
トリガイをつまむ、シェリーを飲む、の合間にトリガイの甘さと、弾力と、弾力の末の軟体動物のうま味とがくる。
これを冷たいシェリーが流し去る。
あっと言う間にトリガイが消えたら、これからが本番。
これまた冷凍保存しておいた、食パンを軽くトーストしたもので、鉄のパンに残ったオリーブオイルを拭き、にんにくをパンに乗せて食べる。
大グラスのシェリーをもういっぱい飲む。
アヒージョの、主役は、オリーブオイルかも、なんて何も見えない夜空にぽつり。