山口県仙崎、冬のイサキを塩焼き用に保存
イサキは塩焼き、というのも短絡的ではあるけれど

「オレはこの町中で一番、不器用と言われた子供」だったので、魚料理と言っても単純で誰でも作れるものが好き、というか複雑な料理は作れない。
魚料理で取り分け好きなのが塩焼きである。
塩焼きを作れない人は絶対にいないと思う。
そして、イサキと言われたら、塩焼きと答える人が多いはずで、イサキにいちばん合う料理が、魚料理のイロハのイである塩焼きだというところが、イサキのよさだろう。
だから不器用なボクにとってもイサキは特別な魚である。
冬枯れの2月に取り出した伝家の宝刀とも言えそうなのが、イサキのかまに振り塩をしたもので、冷凍保存して置いたものだ。
振り塩をして味を馴染ませておけば冷凍しても劣化しにくい。
実際に室温でもどして焼くととてもいい香りが漂ってくる。
手づかみでむしゃむしゃ食べると、馴染んだ塩気とイサキならではの風味が押し寄せてくる。
ヨットなら風をはらんだといった感じだと思う。
もちろんヨットよりも漁船の方が好きだけど。
口の中にイサキのいい香りとうま味が満ちる。
これを都心の深夜スーパーで買った、缶のジントニックで流す。
疲れているときはこんな異な味の酒もよい、と思うな。
冬枯れの日に、山口仙崎のイサキはうれしいね

2025年1月20日、山口県仙崎からのイサキが舵丸水産の端っこにあって、手がつけられていない。体長32cm・0.73kgなのでいいサイズである。
ここ数ヶ月、イサキを食べていないので、買ってみる。
冬のイサキには固体差があるので、後は運次第。
下ろし始めると、卵巣がぺちゃんこで腹がとてもきれいだ。
脂の乗りはそこそこで、締め方が上手なのか鮮度はとてもよい。
以上は以前に書いた。
この頭の真後ろカマの部分を輪切にして振り塩をする。
1時間以上寝かせて水分をよく拭き取る。
これをラップで包んで冷凍する。
室温でもどして出て来た水分をきり、焼き上げる。
もう何十回も書いているが、冷凍保存するなら味つけをしてからがいい。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。