郷土料理

旬はもう少し後のホウボウ

柚子風味の辛子酢みそに映えるホウボウの湯引き


ホウボウは年の瀬になるとじょじょに脂をため込んでいき、3月から5月の産卵とともに味が急落する。この産卵期が産地で違っている。
今回の茨城県産は、北茨城市の大津漁港から来たのではないかと思われる。
意外にこのあたりのホウボウを食べていない。
ホウボウは平凡な食用魚だが、平凡な魚だからこそ年間を通して地域を変えて買ってみて、食べてみることは非常に重要なのだ。

さて、旬とは言えないが、ホウボウには味の豊かさがある。
そのうま味の多くが皮にあるのである。
だから湯引きがいい。
今回は辛子たっぷりの柚子風味の酢みそで食べた。

柚子を加えるだけで冬の味になる。
それにしても表面だけに熱を通すだけで上品な白身の食感が豊かになり、味わいも深くなる。
湯引きのいいところはいくら食べても食べ飽きないことだろう。

辛子たっぷりの柚子みその刺激に、クリスマスも、おおつごもりもあるものか、がんばるしかないぞ、わしは、なんて正一合を自分に追加する。

茨城県産のホウボウは仕立てがとてもいい


12月5日、八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に茨城県産ホウボウが来ていた。最近茨城県の魚は扱いがとてもよくなっている。
これから徐々に入荷が増えていくはずである。
今回の個体は体長27cm・300gで、触った感じからして脂が乗っているとは思えない。
ただ師走にホウボウはとてもいいのである。
ちなみに八王子綜合卸売協同組合・八王子綜合卸売センター周辺は、朝方は軒並み零下で、午前7時を過ぎても0度くらいしかない。
帰宅後水洗いして二枚に下ろす。
片側を皮付きのまま刺身状に切り、湯引きにして氷水に落とす。
表面の残った鱗やぬめりを流して水分を切る。
柚子を搾り込んだ辛子酢みそを添える。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。


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