福井県若狭町菊水堂、水羊羹のようなでっちようかん

嶺南、若狭のでっちようかん


練り羊羹はほどほどに好きだけど、買ってまで食べない。蒸し羊羹は、身体が蒸し蒸ししてくるくらい好きだし、食いたい。
蒸し羊羹にいつも恋しているボクでした。
蒸し羊羹のためなら唐天竺にだって行ける、のだ。

念のために、近江国滋賀県に行ったら、なにわともあれ「丁稚羊羹(でっちようかん)」である。近江というだけで、あの、竹皮のぺたっとくっついた蒸し羊羹が一反もめんのように頭の中をひらひらする。
これを「丁稚羊羹」の呪いという。

さて丁稚羊羹が「なぜ、丁稚羊羹」かは次に持ち越す。
今回最初の丁稚羊羹は、福井県小浜市に近い若狭町で買った。丁稚羊羹食うぞ、と思って箱をあけたら頭をぶん殴られるくらいに驚いた。

ここでちょっと寄り道。1945年以降も続いた若狭・三方からの人力水産物流通で、福井県若狭町はとても重要な地なのである。今回は寄れなかったが同町、十村(とむら)は三方からの人力流通の拠点・里のひとつだったし、有名な熊川宿は若狭からの水産物の集散地なのである。室町時代の散所に当たるのかもと考えている。
塩サバも「さばのなれずし」も「へしこ」も、全部ではないが福井県の海から里(売り先と同じで、福井県若狭町と滋賀県北部)にもたらされた。

箱の蓋をあけるとビックリ仰天する若狭のでっちようかん


閑話休題。
その若狭町『菊水堂』の「でっちようかん」が、嶺北福井市の水羊羹のようなものだった、というか、水羊羹(水ようかん)そのものだったのだ。
なぜ嶺北(福井県北部)では「水羊羹」で、嶺南で「でっちようかん(丁稚羊羹)」なんだろう。

非常においしいので、どっちでもよくなってきたけど、やはり気になる。
それにしても『菊水堂』の「でっちようかん」、もっともっと食いたいし、もっともっと食べたい。
1回に2箱は軽くいける味だ。

ということで、「近江・若狭丁稚羊羹を探す旅」は続く。


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