今季初マルヒラアジに秋潮を感じる

刺身は絶品を通り越して、食べるのがおしくなる


ここ数年、本種の若い個体を見つけると相模湾に秋が来た、と思ってしまう。
だいたい10月、11月に少ないながら水揚げがあり、認知度は小田原でもゼロに近いので、そんなに無理をしなくても手に入れている。
このマルヒラアジが赤道をまたいで広い生息域を持ち、相模湾は北限だと思うと感慨一塩である。

今年の刺身も相変わらずうまい。
身がきめ細やかで、その身に細かい粒子となって脂が混在している。
だから口に入れて舌に乗せると、ねっとりしてほんの少し口溶け感がある。
甘いと感じるのは脂のせいだし、アジ科ならではの豊かなうま味がある。

焼霜造りはものすごくわかりやすい味だ


ついでに作った焼霜造り(あぶり)は、屋上屋を架すような味だが、こちらの方が上と感じる人が多いやも知れぬ。
端的においしいのは、皮目の香ばしさと、その直下の脂が一度溶けて、また再度、この脂が半分固まった状態にあるからだ。
口に入れると様々なおいしさが押し寄せてくる。
久しぶりに飲む、黒松剣菱に合う。

遠くから見ても、近づいて見ても美しい


2024年10月24日の神奈川県小田原市、小田原魚市場の、岩定置(真鶴町)の場所にマルヒラアジを発見する。
昔、九州、紀伊半島までの魚で、相模湾でとれたら発見、といった魚だった。今では秋潮になると必ず顔を見せる。
相模湾では体長20cm・重さ160g前後までが多い。
非常にきれいな魚なので目立つが、種を知っている人は、小田原でも数人ではないか、と思っている。
一年ぶりなので刺身と、焼霜造りにする。
さんの水産
https://www.sanno-suisan.com/


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