70cm前後になる。非常に側扁(左右に平たい)する。受け口で、大型のニシンに見える。
ヒラの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★
少し努力すれば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区新骨亜区正新骨下区ニシン上目ニシン目ニシン科ヒラ属外国名
学名
Ilisha elongata (Anonymous,1830)漢字・学名由来
漢字 平、曹白魚、鰣 Hira
由来・語源 左右に扁平な形態から。鰣は『本草綱目啓蒙』。
現在はヒラ科だが、以前はニシン科であり、その前はイワシ科だった。
〈硬骨魚目等椎亞目イワシ科ヒラ屬 ヒラ〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)地方名・市場名 ?
生息域
海水・汽水魚。沿岸で群れを作り汽水域にも入る。
北海道太平洋沿岸、三浦半島、紀伊水道、瀬戸内海、土佐湾、豊後水道、新潟県糸魚川、富山湾、九州北西岸・南岸。
ピーター大帝湾、朝鮮半島全沿岸、済州島、渤海、黄海、中国東シナ海・南シナ海沿岸、台湾、ジャワ海、オーストラリア北東岸、希にインド東岸。生態
産卵期は5から8月。基本情報
北海道以南から熱帯域まで広く生息する魚で、体長70センチ前後になる大型魚で、巨大なニシンそっくりの魚が瀬戸内海でたくさんとれることに驚く人も少なくない。
熱帯域などでは重要な食用魚である。国内では西日本に多く、春から夏の産卵期にはたくさんとれる。この産卵期に大量に揚がる地域である岡山県などでは古くから盛んに食べている。
非常においしい魚であるが小骨が多く、料理法が独特であるために食べない地域の方が多い。
珍魚度 珍しい魚ではないし、瀬戸内海周辺ではスーパーにも並んでいる晩春、初夏にかけて岡山県などに行くと手に入る。水産基本情報
市場での評価 地域により利用する、しないがある。旬は冬、ただし瀬戸内海でとれるのは晩春から初夏。岡山県など一部以外では非常に安い。
漁法 刺し網、定置網、釣り(長崎県ではタチウオ釣りに混ざる)
産地 岡山県、香川県、熊本県、長崎県選び方
体色が銀色でよく、焼けて赤くなっていないもの。目が澄んでいて、鰓が鮮紅色のもの。味わい
栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ヒラの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、あぶり、酢のもの)、煮る(煮つけ)、揚げる(かき揚げ、唐揚げ、南蛮漬け)、汁(すまし汁、みそ汁、しょうゆ汁)、焼く(幽庵焼き、塩焼き)、ソテー(韓国風焼き魚)クリックで閉じますヒラの刺身
ヒラの刺身 ヒラは水洗いして三枚に下ろす。皮目から1mm〜2mm間隔で包丁を入れて切り離して行く。これをしょうがしょうゆで食べる。好みでわさびしょうゆで食べてもいい。口に入れると意外や清涼感のある味わいで噛みしめるたびにうま味が強いだしてくる。ご飯に乗せて食べてもうまい。
ヒラのあぶり(焼霜造り) 水洗いして三枚に下ろす。腹骨と血合い骨を抜く。これを皮目から骨切りする。皮目を炙って、適当に切りつける。ニシン類なので皮の香りが非常によく、身にも強いうま味がある。クリックで閉じますヒラの酢のもの(ヒラのきゅうりもみ) 水洗いして三枚に下ろして端から1mm〜2mm幅で切り落としていく。これに塩をまぶして少し置き、水洗いして水分をよく切る。これをきゅうりもみに合わせたもの。ヒラはニシン類ならではの味があり、きゅうりの爽やかさと相まってやたらにうまい。クリックで閉じますヒラの酢のもの
ヒラの煮つけ 水洗いして皮目から1mm〜2mmほどの幅で包丁を入れて骨切り。湯通しして残った鱗、ぬめりを流す。よく水分を切り、酒、砂糖、しょうゆの味つけで煮る。煮上がりにしょうがの搾り汁を振る。魚自体のうま味が煮汁に出てまた魚自体を煮る。実に味わい深い。酒、塩のみの味つけでも、酒、みりん、しょうゆの味つけでも美味。クリックで閉じますヒラの煮つけ
ヒラのかき揚げ ヒラは刺身と同じ要領で切る。これに小麦粉をまぶして、青じそ、玉ねぎ、にんじんなどを合わせて衣をからめてやや高めの温度でかりっと揚げる。表面は香ばしく、中はしっとりとして非常にうまい。クリックで閉じますヒラのかき揚げ
ヒラの唐揚げ 水洗いして二枚に下ろす。皮目から細かく骨切りをして片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げにする。中骨は硬いが骨切りした部分が香ばしくスナック感覚で食べられる。塩を振ってもいいが、ここでは屋久島の「青切り塩たんかん」をのせてみた。クリックで閉じますヒラの南蛮漬け ヒラは水洗いして三枚に下ろして身の方から包丁を入れて骨切り。片栗粉(小麦粉でも)をまぶしてかりっと揚げる。揚げたてを地につけ込んで少し馴染ませる。地は酢、砂糖、しょうゆを合わせたもの。これに香りをだしたねぎなどの野菜を加えておく。クリックで閉じますヒラの南蛮漬け
ヒラのしょうゆ汁 だしを使わずに、魚のうま味だけで作った汁である。調味には酒としょうゆ、塩を使う。しょうゆを使ったのは背の青い魚の風味に相性がいいからだ。具はわけぎのみ。骨切りした身を昆布だしで煮だし、調味しただけ。できるだけ単純に作ってみた。塩だけの潮仕立てでもよかったが、しょうゆの魅力が一椀としての完成度が高い。クリックで閉じますヒラのしょうゆ汁
ヒラのみそ汁 水洗いして三枚に下ろし端から1mm〜2mm幅で切りはなしていく。これを水から煮出してみそを溶く。ニシン類ならではの強いうま味が感じられて、そのくせ後口がいい。酒の後にもいいし、ご飯にも合う。クリックで閉じますヒラのみそ汁
ヒラの祐庵焼き 水洗いして骨切りしたヒラをしょうゆ、酒、みりんを同量合わせた地(祐庵地)に半日ほど漬け込む。これを焦がさないようにじっくりと焼き上げる。幽庵焼きは本来淡水魚のための料理でクセのある魚に向いている。ヒラはさほど臭味があるとは言えないが皮目に調味料の風味が加わると実にうまい。クリックで閉じますヒラの幽暗焼き
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
瀬戸内海東部 岡山県、香川県などでは産卵に入ってきた春から初夏にサワラとともに刺し網でとる。もしくは兵庫県などでは巻き網でとる。瀬戸内海東部では岡山、日生、牛窓、赤穂、そして香川県東部などが春から初夏の漁場。岡山ではこの時期によく食べられる。
鹹魚 中国では鹹魚(ハムユイ)という魚を塩漬けにして干したものに加工する。参考文献・協力
『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『岡山の漁業』(西川太)・『岡山の魚』(青木五郎)・『岡山の味風土記』(岡長平)・『岡山ふだんの食事』(鶴藤鹿忠)(3点とも岡山文庫)、『魚と貝の事典』(望月賢二 柏書房)
●ヒラの食習慣、漁のこと、また岡山での出回り時期などは、『岡山県水』合地さんに教わりました。得難い情報ばかりで感謝いたします。
●鹿児島県南さつま市笠沙 わかしおさんから