ナガコバン

Scientific Name / Remora remora (Linnaeus, 1758)

ナガコバンの形態写真

70cm SL 前後になる。体側に目立った模様がなく、細長い。吸盤の板状体は16-20。尾鰭は湾入する。[小判を上に。70cm SL ・0.479kg]
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70cm SL 前後になる。体側に目立った模様がなく、細長い。吸盤の板状体は16-20。尾鰭は湾入する。[小判を上に。70cm SL ・0.479kg]70cm SL 前後になる。体側に目立った模様がなく、細長い。吸盤の板状体は16-20。尾鰭は湾入する。[70cm SL ・0.479kg]70cm SL 前後になる。体側に目立った模様がなく、細長い。吸盤の板状体は16-20。尾鰭は湾入する。[小判を下に。70cm SL ・0.479kg]70cm SL 前後になる。体側に目立った模様がなく、細長い。吸盤の板状体は16-20。尾鰭は湾入する。[小判を上に。70cm SL ・0.479kg]小判は非常に硬い骨と皮膚で出来ている。中央の幹から左右に枝のように対になっているのは骨で後縁が目の細かいノコギリのようになっている。吸着された魚はかなり痛い思いをしているのではないかと思う。70cm SL 前後になる。体側に目立った模様がなく、細長い。吸盤の板状体は16-20。尾鰭は湾入する。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度


      食用として認知されていない
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目コバンザメ科ナガコバン属

    外国名

    Shark sucker
    言語英語 

    学名

    Remora remora (Linnaeus, 1758)

    漢字・学名由来

    漢字 長小判、長小判鮫 Nagakoban
    由来・語源 「長」は不明。「小判」はこのコバンザメ科の魚という意味。本種はもともと「小判」ではなく「草鞋」であったようだ。
    〈吸頭族コバンザメ科(コバンイタダキ科)クロコバン属ナガコバン〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
    Remora remora 種記載はカール・フォン・リンネ。反復名(トートニム)で属名と種小名が同じ。ナガコバンの中でもっとも古く記載された、コバンザメの代表的なものということかも。『日本産魚類全種の学名 語源と解説』(中坊徹次・平嶋義宏 東海大学出版部 2015)
    Linnaeus
    Carl von Linné(カール・フォン・リンネ 1707-1778 スウェーデン)。二名法を確立。

    地方名・市場名

    ザウリザメ ゾウリザメ
    場所北海道小樽 備考「ざうりざめ」。 参考『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897) 
    ゾオリツベタ
    場所福島県小名浜 参考文献 

    生息域

    海水魚。暖海の沖合い域。サメ類、イトマキエイ類、カジキ類などに吸着。
    北海道〜九州南岸の大平洋沿岸、新潟県〜九州北部の日本海沿岸、東シナ海、琉球列島、南鳥島。
    朝鮮半島東岸、台湾南部、ピーター大帝湾〜沿海州、千島列島南部、カムチャツカ半島南東岸。世界中の暖海域(地中海は西部)。

    生態

    基本情報

    念のために。コバンザメ科の魚は軟骨魚類のサメ類ではない。大きな意味でのスズキの仲間(スズキ目スズキ亜目)である。
    コバンザメは体が細長く、体は長くてもあまり重くないが、本種はずんぐりしていて円筒形で非常に重い。見た目よりも遙かに大きい。
    世界中の暖かい海域で大型魚に吸着して生きている。同じ科のコバンザメ以上に大型魚への依存度が高い(自由に遊泳することがない)ようで、定置網などで揚がることはほぼない。大型魚とともにとれる魚といっていいだろう。写真は岩手県田老町産で大型のエイ、たぶんオニイトマキエイに吸着していたと思われる固体である。当然、食用魚として認識されていない。たぶん食べたことのある人自体希だと思われる。
    実際に食べてみると赤身の魚とブリ属の魚の中間的な味である。嫌みがなくて味わい深い。

    水産基本情報

    市場での評価/流通しない。
    漁法/定置網
    産地/岩手県

    選び方

    味わい

    旬は不明。
    鱗は細かく 皮膚に埋没しているようで取りにくい。皮は非常に厚みがあり強い。皮は火を通すと硬く締まり、長時間煮ると軟らかくなる。骨は比較的柔らかい。
    身は赤く、マグロを思わせる。マグロとブリ類の中間的な味と身質である。熱を通すと硬く締まる。


    身質 筋肉は赤く血合いは褐色を帯びた赤。マグロとは違い皮下にも広く広がっている。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ナガコバンの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身、ポキ)、煮る(煮つけ、煮凝)、焼く(塩焼き、祐庵焼き、つけ焼き)、揚げる(フライ、唐揚げ)、汁(皮吸物、みそ汁)

    ナガコバンの刺身 大型魚なので背と腹で少し味わいが違っている。背は筋が少なく柔らかい。腹は少し筋が多く食感が強い。いずれにしろマグロ類とブリ類を合わせたような身質で味がある。残念なのは皮が厚く、皮霜造や焼霜造にはならないことだ。

    ナガコバンのづけ 水洗いして三枚に下ろす。皮を引き、冊にする。これをまな板などに乗せて、熱湯をかけて霜降りにする。これを冷たく冷やした地(醤油とみりんを合わせたもの)に半日程度つけこむ。醤油のうまみと身のうま味が合わさり、相乗効果を生んでとても味わい深い。
    ナガコバンのポキ ポキはハワイの料理で魚を細かく切り、いろんな味つけをして食べるもので、比較的自由な料理法です。主にキハダマグロなどを使います。やや身を細かく切る。これを好みの果物や唐辛子、玉ねぎ、ねぎなどと和えて醤油・ごま油で味付けする。
    ナガコバンの兜煮(小判下煮) 頭部の小判(吸盤を切り取った頭部)を上下に二等分する。小判に近い方の部分を湯通しして冷水に落としてぬめりなどをこそげ取る。これを水・酒・醤油で煮る。砂糖、みりんなどの甘味を加えてもおいしい。小判下の筋肉は非常に味がよく、うま味豊かで味わい深い。皮にも味がある。
    ナガコバン小判の煮つけ(小判煮) 小判(吸盤)にも意外に身(筋肉)が付着している。ナガコバンは大型魚なので小判自体も大きい。切り取ったら湯通しして冷水に落とし表面のぬめりを流す。これを水・酒・醤油で煮る。みりん、砂糖で甘味をつけてもいい。ノコギリを思わせる骨や小骨が多く煩わしいがとてもうまい。
    ナガコバンの皮の煮凝 皮は少しゆでる。冷水に落として表面のぬめりと鱗をこそげ取る。これを適当に切り、酒・水でじっくり煮る。醤油を加えて鍋止めする。砂糖・みりんで甘味をつけてもいい。これを半日冷やすと見事に煮こごる。口に入れると皮の弾力を感じながら口の中で溶ける。
    ナガコバンの塩焼き 焼くと鶏肉のように締まるが、かぶりつくように食べるとうま味が染み出してくる。ここでは鰓近く、かまの部分を使った。振り塩をして1時間以上寝かせる。これをじっくり時間をかけて焼き上げる。かぶりついた一口のうま味の量が多く、夢中にさせてくれる。
    ナガコバンの祐庵焼き 非常に歩留まりがよく、切り身にしやすい。三枚に下ろし皮を引いて切り身にする。弱い振り塩をして少し寝かせる。出て来た水分を拭き取り、地(酒・みりん・醤油同割り)に漬け込む。半日以上寝かせて焦がさないように焼き上げる。少し硬く締まるものの実に味わい深い。弁当などにもってこいだ。
    ナガコバンのつけ焼き ここでは中骨を焼いた。中骨はすいぶんをよく拭き取り、焼く。9分通り焼けたら酒・醤油同割りを塗りながら仕上げる。単に塩焼きにしてもいいが、こくのある深い味わいになる。
    ナガコバンのフライ 三枚に下ろして皮を引き、切り身にする。水分をよく拭き取り、塩コショウして小麦粉をまぶす。衣をつけ、パン粉をつけて揚げる。食感はチキンカツに近い、身が適度にしまり、噛むほどにうま味が浮き上がる。
    ナガコバンの唐揚げ 三枚に下ろして皮付きのまま適当に切る。水分をよくきり、片栗粉をまぶしてじっくり二度揚げにする。身は揚げるとやや強く締まり、鶏肉のような食感になる。ほどよく繊維質で適度にほぐれて甘味がある。
    ナガコバンのムニエル 三枚に下ろして皮を引き水分をよく拭き取る。塩コショウして小麦粉をまぶして弱火で時間をかけてソテー、8割方火が通ったらバターを加えてバターを身にかけながら仕上げる。ここではアーモンドとセルフィーユで香りづけした。
    ナガコバンのフライパン照焼 三枚に下ろして皮を引き、切り身にする。塩コショウして小麦粉をまぶしてじっくり香ばしくソテーする。これを別に取り置く。フライパンにみりん・醤油・砂糖を入れて煮つめ、ソテーした身をもどしからめる。
    ナガコバンのみそ汁 中骨や腹側の骨の多い部分を適当に切る。湯通しして冷水に落として霜降りにする。冷水に落として皮のぬめりをこそげ落とし、水分をよくきる。これを水から煮出してみそを溶く。実に味わい深い汁になる。身は締まっていて甘味がある。
    ナガコバンの皮の吸もの 皮をゆでる。柔らかくなったら冷水に落として表面のぬめり、筋肉などをこそげ取る。水分をよくきり、細切りにする。これを薄いカツオ節出しで煮て酒と塩で味つけする。皮はぷるんとして独特の食感があり、面白い味わいになる。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/田母神真広さん(神郡山水産 福島県郡山市) ■http://www.ko-suisan.co.jp/)、伊東正英さん(鹿児島県南さつま市笠沙)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)
  • 主食材として「ナガコバン」を使用したレシピ一覧

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