全長1.2m前後になる。吻部分は非常に軟らかく簡単に曲げられる。体盤の正中線上目の後ろに棘がある。また肩にも棘があるが、肩の棘の後ろには正中線上に並ぶ棘がない。小さな棘が鰭の周辺だけに無数に並んでいるが中央部分にはない。
ドブカスベの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)




-
魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
顎口上綱軟骨魚綱板鰓亜綱エイ区エイ上目ガンギエイ目ガンギエイ科ソコガンギエイ属外国名
Golden Skate 韓国/홍어(洪魚 ホンオ)学名
Bathyraja smirnovi (Soldatov and Pavlenko, 1915)漢字・学名由来
漢字 溝糟部
由来・語源 大量に出るぬめりが泥状で「溝(どぶ)」を思わせるからだと思う。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。水深100-1125m。
北海道全域、青森県〜島根県隠岐の日本海沿岸、九州北西岸。ピーター大帝湾、日本海北部、サハリン、ベーリング海。生態
ー基本情報
日本海で揚がるカスベ(ガンギエイ)には「水カスベ」と「真カスベ」がある。いずれも大形のガンギエイ科の魚で、前者は本種を含むソコガンギエイ属で、後者はメガネカスベではないかと考えている。北海道などで聞いても別に「真カスベ」がおいしいということもないが、やや水分が多いということで安いだけだ、と教えられている。山形県、秋田県でも同様。
本種も水分が多いという難点はあるものの味がよく、鰭の部分を剥かれて流通する「カスベ」のひとつとして、それなりに需要があるようである。水産基本情報
市場での評価 北海道などをのぞき、皮をむいた鰭だけになった状態での流通。やや高値。
漁法 刺し網、底曳き網
産地 新潟県選び方
鰭での流通でむき身に透明感のあるもの。触って弾力のあるもの。味わい
旬は不明。
吻をはじめ全身が柔らかい。雌の皮は手だけで簡単にむける。大形になる雄は不明。
水分が多く軟骨も軟らかい。熱を通すと煮崩れしやすい。栄養
ー寄生虫
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
料理法煮る(煮つけ、煮こごり)、ソテー(ムニエル)、揚げる(唐揚げ)、肝いり、汁(みそ汁)、和えもの(ぬた)
かすべの煮つけ ドブカスベの鰭を切り取り、皮を剥いて比較的薄味で煮上げたもの。イヤミがなく軟骨の食感がよくてとても味がいい。クリックで閉じますドブカスベの煮つけ
かすべの煮こごり 小形の雌で作った煮つけを冷やしても、あまり硬く煮こごらなかった。室温ですぐに溶けるが味がいい。クリックで閉じますドブカスベの煮こごり
かすべのムニエル 鰭の部分に小麦粉をまぶして、バターでじっくりとソテーしたもの。かりっと上がらないが、軟骨ともども軟らかくバターとの相性がよくとてもおいしい。クリックで閉じますドブカスベのムニエル
かすべの唐揚げ 鰭の部分に片栗粉をまぶし、低温からじっくり揚げて、高温で仕上げたもの。かりっと香ばしく軟骨などから甘味が感じられておいしい。クリックで閉じますドブカスベの唐揚げ
肝いり 鰭の部分を細かく切り、肝、みそとプライパンで空いりしたもの。軟骨のこりこりした触感と肝のこくのある味があいまってとてもうまい。クリックで閉じますドブカスベの肝いり
かすべのみそ汁 鰭の部分を適宜に切り、昆布だし(水)で煮だしてみそを溶いただけの汁。うま味のあるだしが出て滋味豊かな味。軟骨の食感もいい。クリックで閉じますどぶかすべのみそ汁
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/青木清隆さん(上越漁業協同組合)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『飛島に伝わる 郷土料理Ⅱ』(飛島地区漁業集落)