ツバクロエイ

Scientific Name / Gymnura  japonica (Temminck and Schlegel,1850)

ツバクロエイの形態写真

1.8m DW(体盤幅)前後になる。吻部分は突出せず、左右は前後よりも長い。尾は小さく、棘がある。背面に︎黒い斑紋があるもことがある。[40cm DW]
ツバクロエイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
1.8m DW(体盤幅)前後になる。吻部分は突出せず、左右は前後よりも長い。尾は小さく、棘がある。背面に︎黒い斑紋があるもことがある。[40cm DW]1.8m DW(体盤幅)前後になる。吻部分は突出せず、左右は前後よりも長い。尾は小さく、棘がある。背面に︎黒い斑紋があるもことがある。[15cm DW]1.8m DW(体盤幅)前後になる。吻部分は突出せず、左右は前後よりも長い。尾は小さく、棘がある。背面に︎黒い斑紋があるもことがある。[40cm DW]1.8m DW(体盤長)前後になる。吻部分は突出せず、左右は前後よりも長い。尾は小さく、棘がある。背面に︎黒い斑紋があるもことがある。[15cm DW]目はわかりにくく、むしろ後方の噴水孔の方が目に見える。目はわかりにくく、むしろ後方の噴水孔の方が目に見える。いちばん前方(写真では上)に1対あるのが鼻孔、その下にあるのが口、その下左右に5つずつ並んでいるのが鰓孔。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度


      食用として認知されていない
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    動物界脊索動物門顎口上綱軟骨魚綱板鰓亜綱エイ区エイ上目トビエイ目ツバクロエイ科ツバクロエイ属

    外国名

    Japanese butterflyray

    日本燕魟
    言語中国語 備考台湾魚類資料庫 
    臭尿破魴
    言語中国語 場所澎湖諸島 備考台湾魚類資料庫 

    学名

    Gymnura  japonica (Temminck and Schlegel,1850)

    漢字・学名由来

    漢字 燕鱏、燕鱝 Standard Japanese name / Tsubakuroei
    由来・語源 東京市場(明治期なので東京市日本橋)、安房(千葉県)、神奈川県江ノ島での呼び名。ツバクロ(ツバメ)が羽をひろげたような形、色合いだから。
    〈つばくらゑひ(よこさ) 東京市場 同 安房〉。『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年)
    物類称呼/エイについて 〈えい○上方にて○えぎれと云○江戸にて○あかえいと云 今按に 京にて○えぎれ(え切れ)といえるは 江戸にて 赤えいのたちうり(裁売) というに同し〉。江戸時代に大きくなるアカエイを裁売(適当に切り売る)していた。同「まえい」もアカエイのことだと思う。〈まえい は上品なり 又 よこさえい は菱形にして色白し 故に まえいの血を売りて裁売となす がんぎえいは下品なり〉。すなわち本種は裁売(切り売り)すると色が白いので売れない。それで「まえい(アカエイ)」の血液を塗ってごまかしていた。『物類称呼』(越谷吾山著 安永4/1775 解説/杉本つとむ 八坂書房 1976)
    シーボルト、日本動物誌/ファウナ・ヤポニカ(Fauna Japonica ) フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトとその後継者、ハインリヒ・ビュルゲルなどが標本を持ち帰り、川原慶賀(江戸時代の長崎の絵師)が図を書いたもののひとつ。オランダライデン王立自然史博物館のシュレーゲルとテミンクが記載。
    Temminck
    コンラート・ヤコブ・テミンク Coenraad Jacob Temminck(1778-1858 オランダ) シュレーゲルとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。
    Schlegel
    ヘルマン・シュレーゲル(Hermann Schlegel 1804-1884年)はドイツの動物学者。テミングとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。浅場から水深108メートルの砂泥地。
    [宮城県気仙沼気仙沼魚市場]、茨城県〜九州南岸の太平洋側、新潟県〜九州南部の日本海・東シナ海沿岸、小笠原諸島・瀬戸内海には希。
    朝鮮半島南岸、済州島、中国黄海・東シナ海・南シナ海沿岸、台湾、タイランド湾。

    生態

    基本情報

    本州、四国、九州の比較的暖かい浅場にいる。江戸時代より味のよさが知られ食用となっていたが、現在はほとんど食用となっていない。
    イセエビ、サザエなどの刺し網、定置網に混ざるもの。尾に棘があり、危険なので嫌われている。
    おいしいエイなのでもっと利用されてもいい。
    珍魚度 珍しい魚ではなく、至って普通に見られるが、流通しないために漁港などに行き、自分で探すしかない。

    水産基本情報

    市場での評価 流通上見ていない。
    漁法 刺し網、定置網
    産地

    選び方

    味わい

    旬は不明。
    皮に棘などはなく、硬くもない。皮は剥かなくても料理できる。
    骨は軟骨で軟らかい。鰭の先に近いほど硬い。肝もクセがない。

    煮凝 煮つけを冷ますと煮凝る。型に入れて冷やすとよりご馳走感が生まれると思う。

    栄養

    危険性など

    尾の根元付近に小さな棘がある。イセエビなどの漁をする人が嫌うのは、刺されたり、けがをするため。刺さると痛みが長く続くという。

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ツバクロエイの料理・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)、揚げる(唐揚げ)

    ツバクロエイの煮つけ 皮を剥くには体盤が薄すぎるので、そのまま適当に切る。湯通しして冷水に落とし、ヌメリを流す。これを酒・砂糖・しょうゆ・水でこってり甘辛に煮たもの。まったくクセのない味。煮ると皮も軟骨も適度に軟らかくなり、美味しい。見事な煮こごりができる。

    ツバクロエイのみそ汁 アカエイなどもそうだが、エイ類のみそ汁は実に味がいい。なかでも本種のものは屈指の味だと思われる。水洗いして適当に切り、湯通しして冷水に落としてヌメリを流す。これを水から煮て、みそをとく。実にうま味豊かなみそ汁でご飯に合う。
    ツバクロエイの唐揚げ 水洗いして縦の方向に適宜に切り、片栗粉をつけてじっくり長時間かけて揚げる。さくっとして香ばしく、軟骨がこりこりして非常に味わい深い。ビールにとても合う。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/ねこや商店(宮崎県日南市)、二宮定置(神奈川県二宮町)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)

    地方名・市場名

    トンビ
    場所千葉県銚子 参考文献 
    ヨコサエイ ヨコサ
    場所和歌山 
    アミガサエイ
    場所和歌山 備考〈よこさえい の子はあみがさ(編笠)の如 二ッ折になりて棘(はり)を中に隠す物なり〉『物類称呼』(越谷吾山著 安永4/1775 解説/杉本つとむ 八坂書房 1976) 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    タンバソ
    場所和歌山県塩屋 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    ビンハリ
    場所和歌山県湯浅 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    マドフサギ[窓塞]
    場所和歌山県田辺・串本・塩屋 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    ヒイエイ
    場所和歌山県白崎 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    カタビラ
    場所大阪府堺 参考文献 
    チヨオエイ
    場所富山 参考文献 
    コウモリエイ
    場所富山県新湊 参考文献 
    チョウエ
    場所富山県氷見・魚津・四方・東岩瀬 参考文献 
    チョウハン
    場所山口県山陽小野田市(旧小野田市) 参考文献 
    チョウハンエイ
    場所広島県 参考文献 
    コベ
    場所有明海 参考文献 
    カラスエイ
    場所神奈川県国府津 参考文献 
    ツバクロエイ
    場所神奈川県江ノ島 参考文献 
    ウチワ
    場所福岡県玄海 参考文献 
    トビエ
    場所高知 参考文献 
    ヨコタエイ
    場所神奈川県三崎 参考文献 
  • 主食材として「ツバクロエイ」を使用したレシピ一覧

関連コンテンツ