20cm SL 前後になる。鱗がなく、体高が高く体は極端に薄い。背部分に黒い斑紋がある。背鰭刺は非常に小さく大きくなると消失する。[鹿児島県産 22cm SL ・333g]
ギンカガミの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ギンカガミ科ギンカガミ属外国名
学名
Mene maculata (Bloch and Schneider,1801)漢字・学名由来
漢字 銀鏡 Standard Japanese name / Ginkagami
由来・語源 「ぎんかがみ」はどこの呼び名であるか、不明。「ぎんかがみ」は「銀鑑(鏡)」だろう。「鑑(鏡」は今のものではなく、鋳造物である丸い江戸時代以前のものに似ているという意味合い。これだけユニークな姿なんだからきっと各地で様々な呼び名をされているだろうと思われる。情報を求む。
学名/Mene maculata Meneは月で、maculata は斑紋がある。
〈アヂ型類ギンカガミ科ギンカガミ屬 ギンカガミ Mene maculata (BLOCH et SCHNEIDER)〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)Bloch
Marcus Élieser Bloch(マルクス・エリエゼル・ブロッホ 1723-1799 ドイツ)。医師、博物学者。ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー(Johann Gottlob Theaenus Schneider)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行。
Schneider
Johann Gottlob Theaenus Schneider(ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー 1750-1822 ドイツ)。博物学者。マルクス・エリエゼル・ブロッホ(Marcus Élieser Bloch)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行、完成させた。地方名・市場名
生息域
海水魚。内湾、浅い海域。
九州西岸の東シナ海沿岸、茨城県〜九州南岸の太平洋沿岸、沖縄・八重山諸島。
[少ない海域]青森県〜島根県の日本海沿岸、[徳島県鳴門市北灘]、瀬戸内海。
台湾、浙江省〜トンキン湾の中国沿岸、海南島、インド〜西太平洋。生態
鹿児島県での産卵期は6月から8月ではないかと思う。基本情報
学名にも月、英名にもムーンフィッシュとあるようにまん丸い月を思わせる銀色の魚である。インド洋、西太平洋に広い生息域を持ち、ギンカガミ科ギンカガミ属ギンカガミと1科1属1種の不思議な魚である。
東北地方でも揚がるが、比較的千葉県や山陰以南の暖流域に多い。普段はほとんど存在感がないが、ときにまとまって揚がることがある。体が非常に薄く、鮮魚としての価値がないので、とれすぎると困るといった存在である。
未利用魚 漁が安定しない上に、取れる時は非常にまとまってとれる。可食部分が少なく扱いにくいので、人の口に直接入らないで未利用となることがある。
珍魚度 珍しい魚ではないがとれたりとれなかったりの差が激しく、探すと見つからないで困ることがある。水産基本情報
選び方
銀色に輝いているもの。触って張りのあるもの。味わい
栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ギンカガミの料理・レシピ・食べ方/生食(焼霜造り、刺身)、揚げる(フライ)、、煮る(煮つけ)ソテー(ムニエル)、焼く(塩焼き)、汁(みそ汁)クリックで閉じます
ギンカガミの焼霜造り(焼き切り) 普通に刺身にすると血合いの色合いが悪く、また変色しやすい。皮が弱いので、三枚に下ろして腹骨・血合い骨をとり、皮目をあぶって切りつけてみた。皮の香りがよく、血合いの酸味、身の甘さが感じられて非常に美味。
ギンカガミのセビチェ アジ科に近い味わいをしている。酢や柑橘類との相性がいい。三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。細かく切り、ライム(柑橘類ならなんでもいい)・塩、辛い唐辛子で締める。適当に締まったら紫玉ねぎなど好みの野菜を加えてもう一度和える。スピリッツにとても合う。クリックで閉じます
ギンカガミの刺身 血合いが大きく酸味と独特の香りがあって、これがよいところでもあり、好き嫌いの出るところでもある。柑橘類との相性がよく、薬味は山葵よりも生姜、にんにくなどの方が合う。クリックで閉じますギンカガミフライ アジに似た身でしまっておりフライにすると実にうまい。血合い・身に強いうま味があり、それでいながらクセがなく上質な身なのでフライには持って来い。ついつい手が出るおいしさだと思う。クリックで閉じます
ギンカガミの唐揚げ 体が薄いので水洗いして、水分をよく拭き取り、そのまま片栗粉をまぶして揚げてもいい。今回は食べやすく、三枚に下ろして揚げてみた。皮目に独特の風味があり、身にアジ科を思わせるうま味がある。クリックで閉じますギンカガミの煮つけ 水洗いして湯通しする。水分をよくきり、酒・しょうゆ・水で煮つけた。砂糖などで甘味をつけてもいい。食べる部分は少ないが、身にしょうゆなどの調味料に負けない強いうま味がある。あまり硬く締まらないのも好ましい点だ。クリックで閉じますギンカガミの塩焼き 水洗いして振り塩をする。1時間以上寝かせて、じっくりと焼き上げる。やや硬く締まるのが気になるが、皮、血合いなどに独特の風味と酸味があって、個性豊かな味わい楽しめる。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
干物釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929)