体長(触手を引っ込めた状態)10センチ前後になる
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物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★
まずくはない
分類
刺胞動物門花虫綱イソギンチャク目イマイソギンチャク亜目足盤下目内筋上科ウメボシイソギンチャク科Gyractis属外国名
学名
Gyractis japonica sensu Uchida & Soyama, 2001漢字・学名由来
漢字 石わけ磯巾着、石若者磯巾着
由来・語源 不明ではあるが、石などにつき、有明海で「わけ」と呼ばれるイソギンチャクの意味ではないか。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。本州から九州。
干潟。生態
ー基本情報
国内で食用となるイソギンチャク類はイシワケイソギンチャク、ハナワケイソギンチャク、コイボイソギンチャクの3種類。
地中海でもヘビイソギンチャク類が食用となっていると言うが、要するにイソギンチャクを食べるということ自体が非常に珍しいことだ。
このなかで流通して売り買いの対象となっているのは、イシワケイソギンチャクのみ。
またハナワケイソギンチャクは味の点からほとんど流通しない。
非常にローカルな食材で、生産量のやや多いイシワケイソギンチャクは古くは千葉県浦安でも食べていたが、現在食用としているのは有明海周辺でのみ。
コイボイソギンチャクは日本海の底曳き網などの副産物。
漁師さん達が船の上で食べることが多く、今や幻の味である。
有明海ならではの魚貝類は数知れずあるが、なかでももっともユニークなのが本種。
干潟などに棲み、「わけやぬき」という道具で掘り出して取る。
これを日常のみそ汁などにするのだが、漁獲量の減った今ではむしろ珍味として取り扱われる。
福岡県柳川などでは有明海の魚貝類は重要な観光資源であるが、その魅力がこのような希な食材にあるともいえそう。
また古くは千葉県浦安などでも食用としていたという。
干潟に生息して採取も簡単なので、日本各地に食用としていたという例がありそうだ。水産基本情報
市場での評価 有明海周辺でのみ取引される。やや高価・
漁法 掘る
産地 佐賀県選び方
ほとんどが海水とともに袋詰めされて売られている。
膨らみがあって、海水が濁っていないもの。味わい
旬は周年。
捨てる部分はなく、全部食べられる。
泥などを噛んでいることは、ないと思われる。
一般に熱を通して食用とする。
柔らかいが、なかにごりっとした歯触りを残す。
レバーのような味わいだが、魚貝類ならではの風味がある。
後味が生臭いときがある。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
調理法 唐揚げ、みそ煮、みそ汁
唐揚げ◆ペーパータオルなどで水分をとり、片栗粉、小麦粉などをつけて揚げる。表面は香ばしく、かむとゴリっとした食感がある。レバーのような甘みがあり、後から海産物特有のくさみがくる。わけ料理のなかではもっとも食べやすい。
みそ煮◆もっともポピュラーな郷土料理。わけの持つ生臭みをみそが打ち消し、みその旨みが加わることで、ご飯などのおかずにもなる。
みそ汁◆わけから出るだしは少ないものの、みそ汁の具材としては非常に優秀。こりこりとした食感が面白い。好んで食べる地域・名物料理
有明海周辺。加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『イソギンチャクガイドブック』(内田紘臣、楚山勇 TBSブリタニカ)