アカザ(Raddish bullhead)
Scientific Name / Liobagrus reini Hilgendorf,1878
体長10cm前後になる。全体に赤褐色、小さい時は鮮やかに赤い。背鰭は2基、尾鰭は丸い。
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魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度 ★★★★★
知っていたら学者級★
食用として認知されていない★★★
美味分類 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱ニシン・骨鰾下区骨鰾上目骨鰾系ナマズ目アカザ科アカザ属外国名 Raddish bullhead学名 Liobagrus reini Hilgendorf,1878漢字・学名由来 漢字 赤佐
由来・語源 岐阜県郡上八幡での呼び名。赤いため。地方名・市場名 地方名・市場名は長いため下部に移動しました。クリックでジャンプします。 生息域 淡水魚。川の上流、中流域。浅くて流れのある小石、ゴロタ石などの間。
宮城県、秋田県以南、本州、四国、九州。日本固有種。生態 夜行性。主に水生昆虫を食べている。
昼間は石の下などに隠れている。
産卵期は5〜6月。
卵は石の下などに産みつける。
鰭の棘に刺されると非常に痛む刺毒魚。基本情報 日本固有種で清流の流れのある石などの中に隠れている、夜行性の魚。子供でも簡単につかまえられるために日本各地にたくさんの呼び名が残っている。
ただ鰭の棘に毒があり指されると強く痛む。ただし痛みは長続きしない。これがために子供には格好の遊びの対象であるとともに痛い目にあった経験を持つ人も多いと思う。
徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)貞光川では、本種を手でつかめるかどうかを子供が競ったものである。ときどき刺され痛い目にあうのだけど、とても懐かしい思い出である。
岐阜県北部、福井県南部、徳島県美馬郡つるぎ町(貞光町)や同県那賀町(鷲敷町)などで食用となっていた。水産基本情報 市場での評価 観賞用には売られているが、食用魚としては流通しない。
漁法 筌、たきわけ(滝分け、滝脇)、登り落ち
産地 岐阜県、福井県選び方 原則的に生きているもの。痩せていないもの。味わい 旬は春から初夏。
胸鰭などに棘を持ち、刺されると非常に痛い。また長く痛みが続くこともある。体は軟らかい。
●絶滅危惧種なので地域での食文化を維持するくらいの利用にとどめたい。栄養 ー寄生虫 ー食べ方・料理法・作り方 好んで食べる地域・名物料理 甘露煮●みりん、酒、砂糖などを使い、しょうゆは少量で煮たもの。[福井県奥越地方]
なれずし●ぬめりを取り、塩をして、塩出し、ご飯と漬け込んだ、なれずし。[福井県奥越地方]
唐揚げ●硬い頭部を落としてかりっと揚げたもの。[郡上市]
煮つけ●しょうゆ味で甘辛く煮ていた。[徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)・勝浦郡勝浦町]加工品・名産品 ー釣り情報 ー歴史・ことわざ・雑学など ー参考文献・協力 『日本の淡水魚』(川那部浩哉、水野信彦 編・監修 山と渓谷社)、『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂) 注/絶滅の危惧があるので協力者などは記さない。地方名・市場名 [?] オイシャハン[お医者はん]
場所徳島県美馬郡つるぎ町貞光町・半田町 備考刺されていたいのが注射のときのよう。要するに医者が刺す(注射をする)ようなのだ。(貞光町) 頭を焼き、つぶして薬にしたため。昔は薬局が買い取りにきたとも。(半田町) 参考聞き取り 20181226