ハマフエフキ
代表的な呼び名タマン
ハマフエフキの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
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魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
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食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚類綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ亜目フエフキダイ科フエフキダイ亜科フエフキダイ属
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外国名 | Spangled emperor , 青嘴龍占
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学名 | Lethrinus nebulosus (Forsskål, 1775)
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漢字・学名由来 | 漢字 浜笛吹 Hamafuefuki 由来・語源 ハマフエフキダイとも。笛吹は口の形が口笛を吹いているようだからだろう。「はま」の意味は不明だが、八丈島では「はまふき」と呼ばれていることと関連がありそうだ。 〈Richardsonii Gthr. ふ江ふきだひ 東京市場 〉(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年) 〈フエフキダヒ科フエフキダヒ属ハマフエフキ〉『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938) 1950年代前後まで複数の標準和名が東西で存在することは少なくなかった。1950年代田中茂穂と阿部宗春は「タマミ(玉見)」を標準和名としていた。この「たまみ」、「たまめ」、沖縄の「たまん」に共通する「たま」にはどのような意味があるのだろう。 ■ 「笛吹」は頭部口の周辺の形から。浜は比較的岸寄りに棲息するものとの意味ではないか? ■ 「はま」には大きいという意味があり、フエフキダイで大型になるとも。 〈くちみだい常のたいに比ぶればその口尖る〉。『魚鑑』(武井周作 天保辛卯 1831) Forsskål ペール・フォルスコール(ペーテル・フォルスコール)。ヘルシンキに生まれる。『諸動物の記載』【DESCRIPTIONES ANIMALIUM』(PETRUS FORSSKÅL,1732-1763 CARSTEN NIEBUHR,1733-1815】。『コペンハーゲンの教授ペーテル・フォルスコールによって東方への旅行中に観察された哺乳類、鳥類、両生類、魚類、昆虫類および下等動物の記載。著者の没後、カールステン・ニーブールによって編纂さる付録として海路の薬用草本〔の目録〕と紅海の地図を付す』。紅海東岸の魚類をミナミヒメジ、バラハタ、オオモンハタ、ナミハタ、ナンヨウツバメウオ、トゲチョウチョウウオ、モンツキクロハギほか。デンマーク国王フレデリク5世が後援して博物学者のフォルスコールが率いた6人のアラビア探検の途中、1763年マラリアのためにイェリームの町(現イエメン)にて客死。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
千葉県以南。岩礁域、サンゴ礁域。
伊豆諸島、小笠原諸島、千葉県外房、相模湾〜屋久島の太平洋沿岸、[山口県瀬戸内海側宇部]、新潟県以南の日本海各地、九州の北西、[長崎県橘湾]・南岸、琉球列島。
済州島、台湾、インド〜西太平洋。
生態
産卵期は2月〜11月。
寿命は20年を超える。
基本情報
フエフキダイの仲間は熱帯〜亜熱帯域では重要な食用魚。熱帯系の魚の中でも上質な白身で、クセがない。万人向きの味わいで人気が高い。特にハマフエフキは温帯域にも普通で、魚類学的にも古くから知られていた。関東の市場には年間を通して入荷してくる。近年(2022年)はスーパーでもしばしば売られているのを見る。
沖縄に三大高級魚というのがあり、タマン(ハマフエフキ)はその一つにされることもあるが、これは高級と言うよりも人気が高いという意味だ。これが全国的な魚となりつつある。
大型の白身魚で味のよさから近頃では高級魚の仲間入りを果たしている。
『沖縄三大高級魚』/アカマチ(ハマダイ)、アカジンミーバイ(スジアラ)、マクブー(シロクラベラ)
水産基本情報
市場での評価 関東の市場でも珍しいものではない。フエフキダイの仲間ではいちばん入荷が多い。値段は一定しない。やや高値のキロあたり1000円台から2000円前後くらいする。温かい南方域。沖縄などでは高級魚のひとつ。
漁法 釣り、定置網、刺し網
産地 九州、四国、沖縄
選び方・食べ方・その他
選び方
外見からは鮮度が判断しづらい。鰓の色合い、目などを見る。活けものは別にして、持ってみて尾がたれるようなら古い。
味わい
旬は晩秋から晩春。産卵後の盛夏以外はあまり味が落ちない。
鱗はやや大きく硬く取りにくい。皮は厚みがあって強い。骨はやや硬い。
透明感のある白身で血合いが赤い。熱を通すと適度にしまる。
鱗はやや大きく硬く取りにくい。皮は厚みがあって強い。骨はやや硬い。
透明感のある白身で血合いが赤い。熱を通すと適度にしまる。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
ハマフエフキの料理法・レシピ・食べ方/蒸す(蒸魚)、生食(皮霜造り、焼霜造り、刺身、カルパッチョ、セビチェ)、煮る(まーす煮、煮つけ)、汁(潮汁、みそ汁)、ソテー(バター焼き、ポワレ)、焼く(塩焼き)
好んで食べる地域・名物料理
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加工品・名産品
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釣り情報
磯釣りの対象魚。
歴史・ことわざなど
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地方名・市場名
クチビ[口火]
参考『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)聞取 場所和歌山、関西、徳島県鳴門市、熊本
参考『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)聞取 場所和歌山、関西、徳島県鳴門市、熊本
コモンクチビ
参考文献 場所和歌山県雑賀崎
参考文献 場所和歌山県雑賀崎
タマミ[玉見]
参考文献、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所大阪、熊本、鹿児島県種子島
参考文献、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所大阪、熊本、鹿児島県種子島
フエフキダイ
参考聞取、『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年) 場所東京、神奈川県
参考聞取、『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年) 場所東京、神奈川県
フエダイ
参考文献 場所東京、福岡県戸畑、トロール
参考文献 場所東京、福岡県戸畑、トロール
アブラダイ チョウナブロウ
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都三宅島
ショダイ
サイズ / 時期小型 備考小型(若魚) 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都三宅島
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都三宅島
ショダイ
サイズ / 時期小型 備考小型(若魚) 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都三宅島
ショナクチ シモナクチ
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都伊豆・伊豆諸島
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都伊豆・伊豆諸島
ハマクエ ハマフキ
場所東京都八丈島
場所東京都八丈島
タマン
参考河村雄太さん 場所沖縄本島、石垣島
参考河村雄太さん 場所沖縄本島、石垣島
マーユ
参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 場所沖縄県伊良部島
参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 場所沖縄県伊良部島
タバミ
参考文献 場所熊本、宮崎
参考文献 場所熊本、宮崎
タバメ
場所熊本県玉名、鹿児島県鹿児島市
場所熊本県玉名、鹿児島県鹿児島市
クチビダイ
参考『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年) 場所高知
参考『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年) 場所高知
シクジロ
参考文献 場所高知県柏島
参考文献 場所高知県柏島
クチビデエ[口火鯛]
備考口の中が赤いため。 場所和歌山県、高知県、長崎県壱岐
備考口の中が赤いため。 場所和歌山県、高知県、長崎県壱岐
クチミダイ[口美鯛] クチミ[口火・口美]
備考口の中が赤いため。 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都小笠原、徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』、和歌山県、高知県、宮崎
備考口の中が赤いため。 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都小笠原、徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』、和歌山県、高知県、宮崎
タマメ
場所高知県宿毛市田ノ浦すくも湾漁協
場所高知県宿毛市田ノ浦すくも湾漁協
ターマン
場所沖縄県南城市知念漁協
場所沖縄県南城市知念漁協
フエフキ
場所東京都八丈島、山口県宇部、徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』、大分県佐伯市
場所東京都八丈島、山口県宇部、徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』、大分県佐伯市
ムチノイユ ムチノイオ ムチヌイユ
参考文献 場所沖縄
参考文献 場所沖縄