シモフリフエフキ
SL 45cm近くになるが、40cmを超える固体は希だと思う。鯛型で背中に霜降状の白い斑点がある。背鰭棘中央下における側線上方鱗数は6。胸鰭基部の内側に鱗が内か数枚程度ある。鰓蓋骨の後方(縁)、胸鰭の根元は赤い。
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魚貝の物知り度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
食べ物としての重要度 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 |
★★★ 美味 |
分類 |
顎口上綱硬骨魚類綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目フエフキダイ科フエフキダイ亜科フエフキダイ属
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外国名 |
Pink ear emperor
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学名 |
Lethrinus lentjan (Lacepède, 1802)
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漢字・学名由来 |
漢字 霜降笛吹
由来・語源 背にかけて霜降模様(白い斑点)が散らばる、フエフキダイ属の魚という意味。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)に新称とある。同書に〈臺灣,支那,Philippines,東印度諸島等から紅海,Natal等に分布する〉とあるので、台湾での固体に和名をつけた可能性が高い。
フエフキダイ(笛吹鯛) 静岡県沼津市静浦などでのハマフエフキの呼び名で、口の形が口笛を吹いているようだから。
Pink ear emperor 英名はピンク色の耳(鰓蓋)をしたemperor(フエフキダイ)だ。 Lacepède Bernard Germain Lacepède(ベルナール・ジェルマン・ド・ラセペード 1756-1825 博物学者、音楽家。フランス)はビュフォン(Georges-Louis Leclerc de Buffon 博物学者。リンネとは違った配列を試みた)の後継者。
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地方名・市場名 |
ナガウツマーユ 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 場所沖縄県伊良部島 ムルータマン 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協 シルダマン 場所沖縄県本島 タマビ 場所沖縄県宮古 タマン 場所沖縄県八重山・宮古・沖縄本島知念 |
概要
生息域
海水魚。100よりも浅い砂礫底。
小笠原諸島、沖縄諸島以南の琉球列島。
台湾、香港、海南島、東沙諸島、南沙諸島、タイランド湾、紅海、インド-西太平洋、ミクロネシア。
生態
基本情報
沖縄では比較的安くて美味しい魚。
ただしフエフキダイの種類は多く、競り場などでは他の小型のフエフキダイ属とともに「たまん」として認識されているだけ。
魚汁(みそ汁)、バター焼きなどにして好んで食べられている。
水産基本情報
市場での評価 沖縄では比較的入荷量の多い魚のひとつ。あまり大型がいないので安い。
漁法 刺し網、釣り、定置網など
産地 沖縄県
競り場のシモフリフエフキ 沖縄本島などでは小型が多いので、単に「たまん」として競りが行われる。「びたろー」とともに総菜魚的な存在である。
選び方・食べ方・その他
選び方
触って張りのあるもの。鰓蓋骨の後方の赤い色合いが鮮やかなこと。
味わい
旬は不明。
鱗はあまり強くなく取りやすい。皮は普通。骨はあまり硬くはない。
透明感のある白身。
栄養
危険性など
食べ方・料理法・作り方
シモフリフエフキの料理法・レシピ・食べ方/ソテー(バター焼き)、汁(みそ汁)、生食(刺身)
シモフリフエフキのバター焼き 手に入れた固体が小さかったので、丸のままバター焼きにした。バター焼きは沖縄県の郷土料理で、1945年の敗戦でアメリカ軍が進駐してきたときに、大量のマーガリンが出回ったことから生まれたものだという。水洗いして、水分をよく切り塩コショウする。これを多めの油でじっくり香ばしくソテーする。仕上げにマーガリン(バターでも)で風味づけする。白身魚の淡泊な味わいにマーガリンの油分・風味が合わさって非常においしくなる。ご飯にも合う。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
歴史・ことわざなど