食べる人が急激にいなくなっているタカノハダイ
ミズウオダマシ属(Anotopterus)について
Species Anotopterus nikparini Kukuev, 1998/ミズウオダマシ
Species Anotopterus pharao Zugmayer, 1911/Daggertooth/大西洋
Species Anotopterus vorax (Regan, 1913)/Southern ocean daggertooth/南極海、南サンドイッチ諸島
見た目も決してうまそうではない
タカノハダイ
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さて、魚食普及に重要なのは水産物の知識である。最近、未利用魚、未利用魚と騒がしいが、ちゃんとわかっている人いるんだろうか。厳密な意味での未利用魚は存在しないのに未利用魚という言葉が一人歩きしている。むしろ低価格魚としたほうがいい。
当然国内各地で聞取をする必要があるが、例えば漁業者に聞いてもいいが、加工品業者、買受人(大卸・仲卸)、小売業の話も重要であり、消費者も重要だということを忘れている人がいる。むしろいちばん未利用魚がわからないのは行政、そして漁業者かも知れないという現実も知るべきだ。
また最近、未利用魚にマイナー魚を加えるなど、魚価の変動を知らずにいろいろ語る、間違ったことを言うヤカラまでいる。
魚価を知らなければ、未利用魚はわからない。そのためには、日常的に魚を買っていないとダメだが、そんな人間見た事がない。
北海道津軽海峡以南の日本各地の浅い海域に普通。体長40cm前後になり、体側の斜めの帯と尾鰭に水玉模様がある。
「鷹羽鯛」はこの尾鰭の白い水玉模様がタカの羽の模様に似ているからだ。
海藻の多い岩礁域で甲殻類などをエサとしている。
漁業関係者や流通のプロ達が「磯魚」と言うときの代表的な魚のひとつである。サザエやイセエビなどをとる刺網や定置網などに入る混獲物と見なされてもいる。
釣り人には磯周りで釣れる魚という意味合いもあるが、例えば本命が来ない潮止まりに釣れたりする。図体が大きくて立派なのに、縁起の悪い魚だと思われている、そんな存在である。
国内にいるタカノハダイの仲間(タカノハダイ科)はユウダチタカノハ、ミギマキ、タカノハダイの3種で、中でもいちばん水揚げ量の多いのがタカノハダイである。
地域地域での呼び名が非常に多いのは、どの地域にも普通に見られて、地域地域で流通しない(売り買いの対象外)ままに食べられてきた魚であることがわかる。
なぜ売り買いの対象にならないのか? 臭みのある個体が少なからずいるためである。野締め(漁の間に死んでしまった)はおしなべて臭い。
臭い個体を一度でも食べたら、二度と食べないかも知れない。
だから低価格魚としての未利用魚である。
昔、昔から煮つけて食べる魚だった
タカノハダイの煮つけ
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西日本各地で人気はないけど普通に食べられていた。食べ方はどこで聞いても煮つけである。
実は生で食べるよりも煮つけた方が臭みが強くなる。
好んで食べていたという人たちはこの臭いが気にならなかったか、好きだったことになる。
特に内臓が好きだという人にも会っているが、内臓はうま味が豊かだけど、臭みも強い。
この煮つけで食べていた人がほぼいなくなりつつある。
徳島県南部では昔から普通に食べてきたが、その最後の世代が70代後半なのである。
本種の煮つけを出していた料理店でも長い間、提供していないという。
■徳島県の料理店で出していたタカノハダイの煮つけ。
臭みさえなければ刺身は絶品だ
タカノハダイの刺身
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それでは本種はただただまずい魚か、というとそうではない。
活かしたまま水揚げして活け締めすれば刺身など絶品なのである。
磯にいる魚の中でも突出しておいしい魚だと思う。
過去に大分県から普通の荷でやってきた活け締めものも臭みは皆無でおいしかった。
■活け締めにしたタカノハダイの刺身。

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
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