淡路のマアジでウマスギ昼ご飯

淡路島のマアジ釣り船団が釣り、関東に来る


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産に兵庫県淡路からマアジが来ていた。体長20cm・128gで、ボクがいちばん好きなサイズだ。ちなみに旬の5月頃になると淡路島のマアジは同じ体長で150gくらいになる。
要するにまだまだ旬とは言えない2月ではあるが、淡路島のマアジは別格だということを語りたい。
兵庫県淡路島の、島の南島にある、島のまた離島である沼島(ぬしま)で聞いた限りでは、島周りでもマアジの味が違うらしい。
当然、沼島などでは島周りでもいちばん味のいいポイントでマアジを釣っているわけで、淡路のマアジがまずいはずがない。
淡路島では非常に繊細な仕掛けでマアジを釣っている。いくつかの根があり、その根周りに船を集めて釣り上げるのだが、釣り上げたときも魚体に触れることはない。そのまま生け簀に落とし込んで生きたまま帰港する。箱詰めするときにも手で触ることなく氷締めにして競りにかける。
これが水氷(海水に氷を入れたもので、魚体全体が均等に冷える)で、それほど時間がかかるわけでもなく、関東の市場に来る。

小振りではあるが、ボクがいちばん好きなサイズ


だから水洗いさえしておけば2、3日刺身になる。たぶんもっと刺身になる日にちは長いと思うけど試したことがない。
持ち帰ってすぐに水洗いする。
これを昼ご飯に食べる。酒をあまり飲まなくなって、魚の味が明確にわかるようになった。吉田健一ではないが、料理の味はご飯を食べた方がよくわかるのだ。
三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。
皮を剥いた時点で脂がさほどないことがわかる。
ただ、身に張りがある。
醤油をつけずに味見したら、やはり脂の口溶け感はないものの、豊かなうま味が舌を覆い尽くす。
ただし今回はあくまでもご飯のおかずなので、単純な刺身にはしない。

ちょっとだけ酸味のあるご飯にする


比較的酢を控えた酢飯を作る。
ご飯をもどして、ミツカンすし酢と柚子をたらして混ぜる。

ネギではなく、島にんにくで和える


やや小さめに切りつけて、沖縄からきた、葉ニンニクの、島にんにくを刻んで和える。

マアジの味、醤油の甘さ、島にんにくの香り


ここに鳥取県のキッコーナン刺身醤油をたらし、酢飯にのせて食べる。
一碗のご飯もマアジも瞬時に消える味である。
なんてわかりやすいおいしさだろう。
マアジの豊かなうま味に、ほどよい甘さの刺身醤油が合体すると無敵かも知れぬ。
酢飯にすると、やけに軽いのであまり食った気になれぬのが、大問題ではある。


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