コラム

谷中骨董市。骨董趣味のない器買い

ボクにとっての掘り出し物のない谷中骨董市


ボクの職業は自営業だと思う。水産生物と人との関わりを調べるというのは、だれもやっていないことなので、だれにもわからないと思うけど、実は激務なのだ。
生物が相手なので非常に時間に追われる。
しかも分類学的な迷路にある生物だと、懊悩して悶え苦しむことになる。
ボクには目眩という持病があるので、ときどきくるくると回ってダウンするくらいだ。

そのせいか「休息という意味での打ち合わせ」が好きだ。
都心打ち合わせはほぼ平日指定だけど、土曜日でもいいよ、と言われるとほいほい出掛けていく。
打ち合わせだってどうでもよくはないけど、できるだけ朝の宙ぶらりんな時間にしてもらって、前後に散歩する。

この日は打ち合わせ前に人生3回目の谷中骨董市(規模が小さいのとデモノが少ない)を見て回る。
ボクには骨董趣味も収集癖もないので、骨董市で買うのは器とかカトラリーとか、要するに仕事に使えるものなので、一回りするだけで、お終いとなる。
でも、骨董品(ほとんどが骨董的な価値のないものばかり)は、並べる人や、やってくる人の人生が見えてきたりして、時間を忘れるほど楽しい。
この日も、●●(たぶん清涼飲料水)の瓶はないの? と聞いている老人がいた。
意外に飲料の瓶を集めている人は多く、そのような人間はいたってありふれた存在なのに、自分の人生や瓶の世界の話をとめどなく話している。
キャラクターグッズを並べている人(相手)の都合などお構いなしだ。
ああ、これこそがガラクタ骨董市の面白さだ。
アホヤナ! バカだな! こそ骨董市のよさなのだよ、と言いたい。

さらぴんの方が高いのもある


最近作られたセットものバラシに、1500円もつけているオバカさんがいたりするのもたのしい。
それをまた言いなりの値段で買っているバカもいる。
考えてみるとローヤルコペン、マイセン、ノリタケなどはソーサーだけでも売り買いの対象になるが、最近、このソーサーだけの売り物が多くなっている気がする。
小さな人形の間にビールの王冠があって、売り物だというので値段を聞いたらビックリ仰天、なんと1200円也。
王冠を集めている2ヶ月に1度しか風呂に入らないライターにあげよう、と思ったけどやめる。
かき氷のガラス器は1980年前後、ボクが初めて地方旅で器を見始めた頃は安くたくさん買えた。
ところが最近、1970年代以後の新品で美しいものが高くなっている。
念のために実用のガラス器には基本的に骨董的な価値はない。

印判は我が家の消耗品なので安ければ買い


ボクが買ったものは21.5cmの有田とかの印判。
作られたのは意外に古く明治維新前後とみた。
水辺に松で飛んでいるのは鶴とは、いかにもな絵柄だけど、お手本を写して印を起こしたもの。
400円かな? と思って聞いたら500円だった。5つ買えば1つ300円で1500円也。
印判は消耗品だけど1枚だけ。

「TOYOTOKI KOKURA japan」を見つけると必ず値段を聞く


これはボクが好きな12.7cmのTOYOTOKI KOKURA japanの皿。
当たり前だけど戦前(1940年以前)のもので、骨董市ではデモノのひとつ。
気にならない程度のカケなら値段がつく。


東洋陶器の器は輸出用から始めたせいなのか、洋でも和でもない。
不思議な絵柄が多く、造形的にもユニークだ。
今回のものはバラ買いでも手の届く範囲だったのでキヨミズガイ。


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