徳島県阿南市椿泊の小エビを塩ゆでにする
桜よりも半島に咲く椿の花こそ美しい
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徳島県阿南市椿泊は半島で非常に美しいところだ。
その名の通り半島の山は椿の木で覆われている。
椿という植物は陰陽の陰で、陽の桜のように一面が花の色に染まるというわけではない、半島の坂道をゆっくり歩き、この花を前にすると、胸をえぐられるかのような思いに駆られる。
葉に隠れるように咲く赤い花の美しさに心揺さぶられる。
椿泊で水揚げだけを見て帰るボクなど典型的な無粋者である。
その椿泊の漁港で底曳き網の船を待つ。
船が着岸すると、多様な魚、多様なエビが選別台に乗せられる。
「足赤(クマエビ)」、「しらさ(ヨシエビ)」、クルマエビなどの大形のエビを最初に選別し、後から小形のエビを選別する。
この小エビの選別が実に楽しい。
小エビの中でもやや大形のコウダカクダヒゲエビ、クルマエビ科のアカエビにサルエビ、キシエビなどがいる。
水産物を料理するならいちばん簡単な料理法で
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今回は「腹痛(コウダカクダヒゲエビ)」とサルエビを分けてもらってきた。
コウダカクダヒゲエビはたっぷりあったので天ぷらにする。
サルエビは徳島では「かえり」、「ぬき」などと呼ばれる。
2種類だけだと思ったら、「さるぼ(アカエビ)」が混ざっていた。
アカエビは徳島では「さるぼ」という。
「猿頬(さるぼ)」は赤いという意味で、生きているときは濃い赤をしていて、時間が経つと赤紫色にくすむ。
サルエビとアカエビを集めても、少しだけだったので、単に塩ゆでにする。
これがいちばん簡単で、いちばんおいしい。
水産物の料理はアレコレ考えないで、いちばん簡単なものから始めよ、で小エビの場合にはゆでるがそれに当たる。
塩ゆでしたサルエビはエビらしい風味や甘味があるだけではなく、ねっとりとした脂を感じる。
実際、生を触っても、生で食べても、この脂が感じられる。
アカエビの甘味はサルエビ以上に強いが脂は感じられない。
口の中でエビの風味が鼻に抜ける。
たくさんあると、これでビールがいいのだけど。
今回は少なすぎる。
次回はもっとたっぷりもらってこよう。
