6月のぎりぎクロダイ級のクロダイの刺身
同じクロダイでもサイズによって一年の味の変化が違う

関東で、体長30cm(全長34cm)・799gはまだまだ「かいず」だという人と、ちゃんと「くろだい」だという人に分かれる。
細かな区分は人によるが、まあ今回の個体は雌でなので、3歳だとしてクロダイと見た。産卵前だった。
相模湾では5月に体長35cm以上の大型魚が大きな卵巣を抱えていたが、東京湾の1年遅れの個体は、これから産卵するようである。
背中に厚みがないので、上等ではないと見たが、関東での季節による味の変化を見ているので買ってみた。
クロダイにはまだまだわからない点が多いので、数食べてデータを取るしかない。
野締めに見えるが、非常に鮮度がよく、身には黒い筋が見えるものの、全体としてはキレイである。
さすがに近場、東京湾で揚がったものと言えるだろう。
思った以上にしっかりした身なので薄めに切りつけてみた。
とても味があるが、その味のピークが短いのが欠点といえば欠点かも。
少し舌に乗せておくとだれを感じる。
ただ、体に張りがなくても産卵前の身なので悪くないことがわかる。
ひと味足りない刺身にはあれこれ付ける物を考えてみたい

脂はないので、どことなくもの足りない。
味があるだけでも充分なのだけど、ひと味欲しい。
わさび醤油、一味唐辛子酢醤油、辛子酢みそ、胡麻油塩、胡麻油醤油と試してみた。
いちばん合うと思ったのは、胡麻油醤油だった。
胡麻油の香ばしさはとてもインパクトが強いものの、クロダイの味を決して損ねていない。
韓国ではスズキやクロダイなど汽水域の黒銀色の魚が高いが、この高値は、刺身につけるものの、違いによるのかも。
ちなみに今現在、ちょっとだけ辛味を敬遠している。
辛味大丈夫な方は、ここにコチュジャンとかシラチャーソースなどをプラスしてもうまそうだ。