アサツキ出て、ぬたの合わせはスルメかな

師走にならぬのに春のぬた、かいな


山形県庄内酒田市のアサツキは、東京でもっとも一般的なものだ。
アサツキは長野県や新潟県、東北に行くと様々なものがあるが、栽培種も含めて本来は春(現在の2月)以降のものである。
師走にアサツキはないだろう、とは思うものの、ちょっとだけ贅沢とやらをやらかしてみた。
ボクもそんな年頃なのだ。

まったり塩分濃度の低い白みその辛子酢みそをまとったアサツキは無類のおいしさだと思っている。
独特のネギ類の臭味がうま味だし、ちょっと苦いのもいいし、しゃきしゃきした食感がたまらない。
旧暦師走にもならぬ、ご禁制の早出しなれど、どん底にあるときは破るべし、と存分に春の味を楽しむ。
ゆでることで味が出るスルメイカと合わせると、ひとりぼっちを慰めてくれる味である。

面白いもので、何にでも添い遂げそうなアサツキも相手を選ぶ。
魚には合わないけど、軟体類には合う。
イカ類ではスルメイカがいちばん合う。
明らかに一碗二人前以上なのに本醸造の高清水がすすみ、箸も伸びる伸びる。

庄内、酒田市のアサツキはまだまだ高い


八王子総合卸売センター八百角で初ものだという山形県酒田市産アサツキを買う。
このところ眩暈持ちには過酷な日々だったので、気分を変えるために、まさかの初ものを、思い切って買った。
要するに自制心がなくなっていたのだ。

今やスルメイカは高級イカなので走りのアサツキと同じ値段


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産にもどって1ぱいあたりの値段からするとお買い得な小ヤリ(ヤリイカ)に手が伸びそうになって引っ込めた。こちらも自制心なくスルメイカにする。
アサツキとスルメイカ1ぱいが同じ値段である。
水洗いして胴の中心以外を適当に切る。
塩ゆでしておか上げにする。アサツキも塩ゆでしておか上げ。
アサツキをスルメイカの切り身に合わせて切って、2つを合わせて混ぜる。
白みそ主体の辛子酢みそで和える。


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