肌寒くない夜の、イカと里芋煮

どこにでもある平凡な料理だけど、ごちそうなんである


我が家ではいたって日常的な秋の味である。
こんな料理で一喜一憂しているなんてボクだけかも。
その憂を生み出すのはいつも里芋である。
いい里芋を見つけるのは、いいスルメイカを見つけることよりも難しい。
今回近所のスーパーで買ったスルメイカに喜んで、里芋にほんの少しだけ泣く。
11月最初の里芋煮は半喜半憂だ。

さて、スルメイカと里芋煮は国内ではありきたりな料理だが、多摩地域では秋祭に作ることが多い。
檜原村の老人曰く、ごちそうで楽しみにしていたという。
まあ、一見普通の料理だが、すこぶるつきにうまい、これぞ真のごちそうだろう。

久しぶりに作る味が優しいね。
ご飯も食べ食べ、里芋もスルメイカも食べるとお腹が膨満してくる。
けどスルメイカ独特の風味とうま味、それを吸い込んだ里芋がまずいわけがない。
今年の里芋はいかがなりや。
もっとうまい里芋食いたいな。

今年のスルメイカは去年よりもいい、気がする


近所のスーパーで北海道青森沖のスルメイカを買った。
外套長(胴に見える部分)21㎝なのでバラ(小型のスルメイカ)以上である。
このサイズならおいしいに違いない。

親芋についたのが小頭芋、そして孫芋が出てくる


スルメイカを見つけたので、野菜売り場に行き里芋を探す。
小頭芋(親芋があって最初に出て来た芋で子芋ともいい、次ぎに出てくるのが孫芋)1種類しかないので、それを買って帰ってきた。
小頭芋がよかったためしがない。
ただ今回、触った感じはそんなに悪くはない。

下ごしらえすれば後は一気呵成に作る


さて、スルメイカはげそ、内臓を抜き取り、げその角質環(吸盤の周りの角質の輪)を取る。
適当に切り分ける。
胴は輪切りにする。
里芋は帰宅後すぐに洗って外に干す。
料理のときに皮を剥き、表面を塩で揉みぬめりを取る。
これを下ゆでしておいて冷水に落とし、ふたたびぬめりを取る。
そのままザルなどに上げておく。
鍋に醤油・砂糖・水を煮立てて、里芋を入れ、煮え具合を見てスルメイカを加える。
あまり煮すぎてはいけない。


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