ヤツシロガイ

Scientific Name / Tonna luteostoma (Kuster.1857)

ヤツシロガイの形態写真

殻長10センチ前後になる。蓋(ふた)を持たない。球状で同じ幅の螺肋(横筋)があり、褐色の帯状の斑文がある。丸みを帯びて同じ幅で盛り上がりのある横しまがある。その横しまのところどころに黒い文様がある。
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殻長10センチ前後になる。蓋(ふた)を持たない。球状で同じ幅の螺肋(横筋)があり、褐色の帯状の斑文がある。丸みを帯びて同じ幅で盛り上がりのある横しまがある。その横しまのところどころに黒い文様がある。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    腹足綱前鰓亜綱吸腔目(盤足目)ヤツシロガイ超科ヤツシロガイ科ヤツシロガイ属

    外国名

    学名

    Tonna luteostoma (Kuster.1857)

    漢字・学名由来

    漢字 八代貝。
    由来 九州の八代海でたくさんとれたため。

    地方名・市場名

    生息域

    海水生。北海道南部以南。水深10〜200メートルの砂泥地。

    生態

    ウニ、ヒトデなどを餌とする。
    産卵期は秋。

    基本情報

    流通範囲は狭く、全国的に流通する物ではない。
    東京などにもしばしば入荷するが隣接県、もしくは他の荷(魚貝類)に付け加えるといったもの。
    産地などでは値段も安く非常に親しみやすい貝。
    ただし、このような目立たない貝の味わいは年々顧みられなくなっている。

    水産基本情報

    市場での評価 入荷量は少ない。姿形がいいので、ときにやや高値となる。
    漁法 底曳網、刺し網
    主な産地

    選び方

    生きているもので、盛んに足を動かしているもの。足を触って反応があるもの。古いと身に張りがなく、粘液が多くなる。

    味わい

    旬は調べているところ
    足の部分を食べる。
    貝臭さが薄く、やや旨み、甘みとも薄い。
    足の表面部分が硬くジャリっとした食感。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    処理方法
    身を出すのは簡単。
    貝殻は薄く、内唇の上方に穴を開けてひっぱりだしてもいい。
    肉(足)の部分ははよく滑りをもみ出し、塩でもむ。
    滑りが残ると生臭い。
    ワタはあえて食べる必要はない。
    ヤツシロガイの身の取りだし貝殻は割ってもいいが、画像の部分に穴を開けると簡単に出てくる。
    ヤツシロガイの身足(身)は外側が黒く、この黒い部分がジャリっとした食感がする。取った方がいいかも知れないが、歩留まりが極端に悪くなる。この食感を、この貝の持ち味だと思うべし。

    調理法
    なます(酢みそ和え)、刺身

    あまり旨みのある貝ではなく、単に刺身よりも、なますに向いている。
    酢みそで和えたり、「たたきなます」にして酢みそとネギと一緒くたにたたいて美味。
    刺身で食べてもまずくはない。
    後は煮つけか、湯引きだが、硬くなりやすい。
    ヤツシロガイのたたきなます
    たたきなます みそ、酢、ネギと合わせて細かくたたいたもの。勝手に「たたきなます」と呼んでいるのだが、非常にうまい。
    ヤツシロガイの刺身
    刺身 刺身には独特のじゃりっとした食感がある。甘みはあるものの貝臭さも無く、やや無個性な味わい。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)
  • 主食材として「ヤツシロガイ」を使用したレシピ一覧

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