25cm SL前後になる。大型で、非常に貝殻が硬くコツゴツして無骨、いぼの列がある。殻口は白く、外唇に棘状の突起がある。ナンカイボラよりも突起がはっきりして、文様も鮮やか。[24cm SL ・0.75kg]
ボウシュウボラの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
軟体動物門腹足綱前鰓亜綱中腹足目(盤足目)ヤツシロガイ超科フジツガイ科ホラガイ亜科ホラガイ属外国名
学名
Charonia lampas sauliae (Reeve,1844)漢字・学名由来
漢字 房州法螺 Boushubora
由来・語源 千葉県(房州)に多い巻き貝という意味か。目八譜より。Reeve
Lovell Augustus Reeve (ロベル・オーガスタス・リーブ 1814-1865)、イギリス。貝類学者。
目八譜
1843(天保14)、武蔵石寿(武蔵孫左衛門)が編んだ貝の図譜のひとつ。図は服部雪斎が描く。武蔵石寿は貝類を形態的に類別。1064種を掲載する。現在使われている標準和名の多くが本書からのもの。貝類学的に非常に重要。地方名・市場名
生息域
海水生。房総半島、山口県以南。フィリピン。
潮間帯から水深50メートルの岩礁域。生態
冬に産卵。
ヒトデ類を好んで食べる。基本情報
外洋に面した岩場などに普通の大型の巻き貝。専門に狙う量はなく、イセエビ漁や浅い海域での刺し網などにかかってしまうもの。
食用とはなるが唾液腺、ワタなどにフグ毒と同じ成分があり、食べるのは筋肉のみ。貝殻が硬く、食用にするための下ごしらえが大変であるために、日本各地で細々と食用となっているもの。味はいい。
また大きくて美しい貝殻はホラガイ同様に楽器に、装飾品などに加工される。
水産基本情報
市場での評価 関東では入荷量は少ない。値段は安い。
漁法 刺し網
主な産地 千葉県、神奈川県、徳島県ほか選び方
生きのいいもの。古くなると貝殻の色合いが薄くなってくる。味わい
旬は不明。
食べるのは足(筋肉)のみ。内臓にはフグ毒が見つかっている。
貝殻は硬くて厚みがあり、重い。割るのは非常にたいへん。栄養
ー危険性など
フグ毒(テトロドトキシン)を持つ。毒性があるのは中腸腺(消化器官と肝臓にあたる)だけだが、毒性は非常に強い。基本的に内臓はすべて廃棄した方がいい。食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
好んで食べる地域・名物料理
千葉県内房。加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
■ 内蔵からフグ毒が発見されている。
■ 楽器、法螺貝の材料のひとつ。山伏などが修業に使う。
■ 漁村、海辺などで食用とされている。
フジツガイ科について◆
■ 形、大きさは多様。
■ 肉食性。棘皮動物のヒトデなどを襲う。
■ 軟体(足)に斑紋があることが多い。
■ 国内に40種以上。
■ 食用となる貝にはアヤボラ、ボウシュウボラ。
■ ホラガイ、ボウシュウボラなど楽器として使われることがある。(山伏が修業時、軍師が合戦時に吹いた。「法螺を吹く」などの語源)
■ 唾液腺などにテトラミンやフグ毒、解明されてない毒を持つものがある。注意が必要。参考文献・協力
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)