40cm SL 前後になる。大型の巻き貝。螺塔はとがり、螺層は丸みを帯る。成長にともない螺層が丸く膨らむ。ヤマドリの羽を思わせる模様があり、表面につやがある。殻口は大きく開き、内側は橙色をしている。[石垣島 36.5cm SL]
ホラガイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
![40cm SL 前後になる。大型の巻き貝。螺塔はとがり、螺層は丸みを帯る。成長にともない螺層が丸く膨らむ。ヤマドリの羽を思わせる模様があり、表面につやがある。殻口は大きく開き、内側は橙色をしている。[石垣島 36.5cm SL]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/846/Thumb630/20200326231.jpg)
![40cm SL 前後になる。大型の巻き貝。螺塔はとがり、螺層は丸みを帯る。成長にともない螺層が丸く膨らむ。ヤマドリの羽を思わせる模様があり、表面につやがある。殻口は大きく開き、内側は橙色をしている。[石垣島 36.5cm SL]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/846/Thumb630/20200326246.jpg)
![40cm SL 前後になる。大型の巻き貝。螺塔はとがり、螺層は丸みを帯る。成長にともない螺層が丸く膨らむ。ヤマドリの羽を思わせる模様があり、表面につやがある。殻口は大きく開き、内側は橙色をしている。[石垣島 28cm SL・701g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/846/Thumb630/20230112488.jpg)
![40cm SL 前後になる。大型の巻き貝。螺塔はとがり、螺層は丸みを帯る。成長にともない螺層が丸く膨らむ。ヤマドリの羽を思わせる模様があり、表面につやがある。殻口は大きく開き、内側は橙色をしている。[石垣島 28cm SL・701g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/846/Thumb630/20230112491.jpg)
![40cm SL 前後になる。大型の巻き貝。螺塔はとがり、螺層は丸みを帯る。成長にともない螺層が丸く膨らむ。ヤマドリの羽を思わせる模様があり、表面につやがある。殻口は大きく開き、内側は橙色をしている。[沖縄本島産 18cm SL]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/846/Thumb630/20110116474.jpg)
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魚貝の物知り度
★★
これは常識食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
軟体動物門腹足綱前鰓亜綱中腹足目(盤足目)ヤツシロガイ超科ホラガイ科ホラガイ属外国名
学名
Charonia tritonis (Linnaeus,1758)漢字・学名由来
漢字 法螺貝 Horagai
由来・語源 本来は法螺で、これに貝をつけた理由はわからない。仏教の法要などに吹く楽器を作る原料になる貝なので「法螺」。古く、法螺は大型の巻き貝で作った戦の時の楽器。また修験行者の持ち歩く楽器(仏具)であった。
漢字はほかに、梵貝、陣貝、梭尾貝・貝(大言海)。
『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)には、法螺貝は『目八譜』よりとしている。このあたりを整理して和名を決定したのは岩川友太郎ではないか。
〈宝螺(ほらのかい) 『本草綱目』に、ひ(織機の杼)に似ていて、いま釈子(仏道修行者)が吹いているものである……この最も大きなものをわが国では軍隊用としている。これを吹いて先鋒の兵を進めるのである。修験行者はいつも山行にはこれを吹いて同行を導き、かつ狸・狼に襲われるのを防ぐ……〉。『本草綱目啓蒙』(小野蘭山 東洋文庫 平凡社 文政12 1829)Linnaeus
Carl von Linné(カール・フォン・リンネ 1707-1778 スウェーデン)。二名法を確立。地方名・市場名
生息域
海水生。サンゴ礁。
紀伊半島、八丈島以南。
大西洋、地中海、紅海、オーストラリア、ニュージーランド、熱帯インド・西太平洋。生態
肉食性でヒトデ類などを餌としている。
サンゴ類を食い荒らすオニヒトデの天敵としても有名。ただ生息数が少なく、食べるオニヒトデは少ないために珊瑚の減少を防ぐ決め手とはならないとされている。基本情報
インド洋、太平洋の熱帯域、サンゴ礁に生息する大型の巻き貝で、最大で殻が45cmにもなり、世界最大の巻き貝、アラフラオオニシに次ぐ大きさだ。美しいためもあって収集の対象であり、装飾などにも使われる。中国や東南アジアでは楽器としても重要である。
我が国では飛鳥時代から続く修験道の修行の際に持ち歩き、合図などに使う。また合戦などのときにも吹いて戦意高揚のために吹き、また合図とする。合戦などのときに使われてので「陣貝」の別名がある。
主に沖縄県で食用になっていて流通している。
問題は生息数が非常に減少していることだ。流通しているものを買っていいものかなど、気になる点多々だ。
また、九州本土以北で「ホラガイ」と呼ばれるものはボウシュウボラ、ナンカイボラであるため、情報が混乱していることがある。本種が生息しているのはサンゴ礁域だけだ。水産基本情報
市場での評価/沖縄県などでは水揚げがあり流通している。
漁法/採取
産地/沖縄県選び方
原則として生きているもの。死んでも粘液などの出ていないもの。味わい
旬は不明。
貝殻は硬いが薄い。身の取り出し方はいろいろあるようだが、割ってしまうのがいちばん簡単だと思う。布袋などに入れて貝殻が飛び散らないようにしてたたき割る。
軟体部分が大きく歩留まりはいい食べるのは主に足で筋肉のみ。
内臓はフジツガイ科なので食用としない方がいい。栄養
ー危険性など
ボウシュウボラ、カコボラには内臓にテトロドトキシンを持つ場合がある。本種も同じフジツガイ科で沖縄本島、石垣島などでも内臓は食べない。食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
法螺貝・梵貝 〈……貝の肉を抜いて、殻の細くなった部分をすり欠き、そこに口をつけて吹くと殻内に共鳴して、遠くへ響く大きな音を出す、それで合図や楽器に用いられたが、特に仏法とは因縁深く、これを吹き鳴らすと、諸天善神を呼び悪鬼を払うとされ、法要に用いられる。法螺貝の名もこれに由来し、「梵貝」とも書く。とくに天台宗の山岳仏教では山伏の携帯具となっている。〉
陣貝 〈池田輝政(戦国時代〜江戸時代初期 戦国期からの大名で姫路城主にも)は関ヶ原合戦の前に岐阜城を攻めたが、そのとき貝吹弥左衛門が機を逸せず進み貝を吹き立て勝利に導き、この城を攻落して池田家繁栄の本を開いた……〉
横笛のように吹く 〈南洋諸島ではホラガイを楽器にするが、これは細い先に穴をあけて吹くのではなく、先より少し下に穴をあけて横笛のようにして吹くのである。〉
以上、『カラー自然ガイド25 貝の博物誌』(波部忠重 保育社 1975)
法螺貝 飛鳥時代(7世紀)の役行者縁の地、金峯山寺のある奈良県吉野山では法螺貝が今も売られている。修験道の必需品である。買いの殻長部分を切り取り、唄口と呼ばれる金属のマウスピースのようなものをつけて、法螺貝網というものをかぶせて持ち歩き、山間部での修行の際に吹く。
法螺を吹く、法螺を言う 〈俗ニ、虚言を語ルコト。(空洞ノ意カ)、虚言。〉。注/空洞は中身のないこと内容のないことで、「ほらあな」とも言う。「ほらあな」の転訛か、としている。『大言海』(大槻文彦 冨山房)参考文献・協力
協力/河村雄太さん(沖縄県石垣市)
『カラー自然ガイド25 貝の博物誌』(波部忠重 保育社 1975)、『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)、『世界海産貝類大図鑑』(R.T.アボット、S.P.ダンス 監修訳波部忠重、奥谷喬司)