直径4-5cm前後。貝殻は光を透過するほど非常に薄い。貝殻の色は赤みを帯びたもの、黄色みを帯びたもの、白いものなど多彩。右の貝殻の表面には放射肋に見える筋状の隆起が出るものと、ないものがある。左貝殻には足糸を出すための正円状の孔がある。[ホタテの稚貝に付着]
ナミマガシワの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★
少し努力すれば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★
食用として認知されていない味の評価度
★★★
美味
分類
動物界軟体動物門二枚貝綱翼形亜綱イタヤガイ目ナミマガシワ上科ナミマガシワ科ナミマガシワ属外国名
学名
Anomia chinensis Philippi, 1849漢字・学名由来
漢字/波間柏 Standard Japanese name / Namimagasiwa
由来・語源/ナミマガシワガイとも。『目八譜』より。柏(カシワ/ブナ目ブナ科などの外で器の代わりになる木の葉)を伏せたような形の貝殻だから。
岩川友太郎がシナタソガレ(1905)、老成個体には平瀬與一郎がアラナミマガシワ(1909)と命名したことがある。目八譜
1843(天保14)、武蔵石寿(武蔵孫左衛門)が編んだ貝の図譜のひとつ。図は服部雪斎が描く。武蔵石寿は貝類を形態的に類別。1064種を掲載する。現在使われている標準和名の多くが本書からのもの。貝類学的に非常に重要。地方名・市場名 ?
生息域
生態
海辺の岩や、フネガイ科の二枚貝、イタヤガイ科の二枚貝などに付着して生活している。基本情報
北海道南部以南に普通に見られ、いろんな形や色があり、とても美しい貝だ。
食べるとおいしい貝ではあるが、岩や貝殻に付着していてまとまった量を採取するのは難しいのではないかと思う。またホタテガイなどを養殖するとき付着することでやっかいな存在でもある。
清掃したときに出たものなど食用とできると面白いかも。
本種を食用としている地域はまだ1カ所しか確認できていない。
珍しさ度 珍しい貝ではない。流通上はホタテガイによく付着している。海辺では岩などについていることが多い。
食用としていた地域はあるが貝毒など危険性は皆無ではない。食べるときには自己責任で水産基本情報
市場での評価/流通しないがホタテガイ、ホタテガイの稚貝に付着して流通してくる。養殖の世界ではやっかいなもの。
漁法/採取、ホタテガイなど養殖貝に付着。
産地/青森県選び方
原則的に生きているもの。味わい
旬は不明。
貝殻は薄く、岩などから剥がしやすい。
軟体は貝殻からして大きく、熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
好んで食べる地域・名物料理
雛祭りなど 〈身がうっすらと赤いため、3月の節句や4月の花見に「ちらし寿司」の具として使われていた〉広島県江田島市大柿町。『大柿町の海辺の生き物 町制45周年記念誌』(監修/久家光雄 編集/大柿町海辺の生き物調査団)関連コラム(郷土料理)
主役はこっち、美しすぎるナミマガシワ
貝屋(貝の収集家)ではないが、基本的に生き物が好きなので、貝を見るのも触るのも、食べるのも好きだ。 産地不明のホタテガイがあって、べっとりくっ付いているものがあ・・・ 続きを開く加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/齋田尚希さん(高知県)、出間リカさん(あらしま新鮮組 三重県鳥羽市安楽島)
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)、『大柿町の海辺の生き物 町制45周年記念誌』(監修/久家光雄 編集/大柿町海辺の生き物調査団)