体長17cm前後になる。背は黒っぽく腹部は銀色を帯びる。側へんし、体高が高く体長は短い。総ての鰭は軟条だけで構成され、背鰭・臀鰭の軟条起部に小さな目立たないコブが並んでいる。胸鰭はやや長く後端が臀鰭始部の真上に達する。鰓耙数は21-24(写真は22)。
ツバサナカムラギンメの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★★★
一生出合えない可能性大魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★
食用として認知されていない味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区正真骨下区棘鰭上目キンメダイ系キンメダイ目ナカムラギンメ科チゴナカムラギンメ属外国名
学名
Diretmoides veriginae Kotlyar, 1987漢字・学名由来
漢字 翼中村銀目 Tsubasanakamuraginme
由来・語源 岡本誠、星野浩一の命名。国内で発見されている3種のなかで、取り分け胸鰭(翼)が大きいためだろう。
ナカムラギンメについて ナカムラギンメは阿部宗明の命名。Mr. Chikashi NAKAMURA(たぶん宮城県気仙沼分場の所長だった人だろう)から標本を寄贈を受けたために献名。標本は底曳き網で北太平洋からもたらされた。
阿部宗明は、Diretmus argenteus JOHNSON (現フチマルギンメの学名) としていて、Diretmus (現フチマルギンメ属) をナカムラギンメ属としていた。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。水深340〜1300m。
静岡県沼津市西浦江梨大瀬崎沖 駿河湾北部・西部、北東部宮崎県日向灘、鹿児島県南さつま市沖・宇治群島宇治島東シナ海。
台湾南部、南シナ海、スマトラ島北西部インド洋北東部、ティモール海、アンダマン海。生態
ー基本情報
駿河湾以南の深海に生息していると考えられているが、詳しい生息域などは未知の世界に属する。
底曳き網などで揚がる魚ではあるが、今のところ正真正銘の珍魚だ。
珍魚度 非常に珍しい魚で超珍魚そのもの。水産基本情報
市場での評価/流通しない。
漁法/底曳き網
産地/静岡県、鹿児島県選び方
触って張りのあるもの。液体などが湿潤していないもの。味わい
旬は不明。
鱗は細かく取りやすい。皮は弱い。骨は柔らかい。
血合いの色が感じられない白身。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ツバサナカムラギンメの料理・レシピ・食べ方/焼く(塩焼き)、汁(みそ汁)、生食(刺身)クリックで閉じます
ツバサナカムラギンメの塩焼き 皮が薄く柔らかく、皮と皮直下に脂の層がある。1尾だけだったので煮つけにするか、焼くかを決めかねた。いちばん魚本来の味がわかる塩焼きにしてみた。
水洗いして二枚に下ろして骨つきの方に振り塩をする。1時間程度寝かせて表面に出て来た水分を拭き取る。これをじっくりと焼き上げる。
食べる前に香りがいい。皮目がぱりっとして香ばしく中はとても豊潤である。香ばしさとうま味のバランスがいい。
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/青木修一さん(静岡県沼津市)
アドバイス/和田英敏(神奈川県立 生命の星・地球博物館)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)