甲長9mm、甲幅13mm前後になる。甲は横長の六角形。写真は遊泳期で第1・第2歩脚には後方に、第3・第4歩脚には前後に長い毛が生えている。[雄]
オヨギピンノの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★
食用として認知されていない味の評価度
★★★
美味
分類
節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)エビ上目十脚目短尾下目スナガニ上科オサガニ(Macrophthalmidae)科Tritodynamiinae亜科ヨコナガピンノ属外国名
学名
Tritodynamia horvathi Nobili, 1905漢字・学名由来
漢字/泳ぴんの Oyogipinno
由来・語源/酒井恒の命名。群泳する性質があるためと、今はオサガニ科だが、古くはカクレガニ科(Pinnotheridae)だったので「ピンノ」となった。
倉場富三郎はトウヨウムツアシガニ。
酒井恒はコウダカヨコナガ。T.Sakai
酒井 恒(さかい つね 1903-1986)。動物学者。カニの研究で知られ。『日本蟹類図説』などの著書がある。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。
東京湾、伊勢湾、瀬戸内海、有明海、八代湾、橘湾。
韓国鎮海湾、中国山東省。生態
10年から20年周期で5月〜8月にかけて、内湾などを大きな群れを作り遊泳するが、7月〜8月が盛期だ。
チンチロフサゴカイに寄寓。基本情報
三宅貞祥は〈有明海で漁業者はミロクガニと呼び、10年・20年周期で大発生し、群泳は豊漁の前兆であると信じ、古くから漁業者の言い伝えがある。〉とある。
また三宅貞祥の弁として、〈このカニがミロクガイ(有明海でのハイガイの呼び名)またはサルボウの外套腔にすむと考えられていたことで有明海沿岸ではミロクガニと呼ばれている〉。
有明海などで群泳するオヨギピンノは食用とはされず、鶏の飼料や畑の肥料になっていた。
食べ方によってはおいしいのだけど、ふだんはまったく現れず、ときに大発生するのでただの漁の時の厄介者としかみなされなかったようだ。水産基本情報
市場での評価/流通しない。
漁法/巻き網など
産地/長崎県選び方
触って粘液などの出ていないもの。味わい
旬は不明だが5〜8月、10月・11月に群泳する。
殻は柔らかい。筋肉はほとんどない。
ゆでて噛むと微かに脂の甘さを感じる。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
オヨギピンノの料理法・調理法・食べ方/汁(塩味、みそ味)、揚げる(素揚げ)クリックで閉じます
オヨギピンノのみそ汁 生を流水でよく洗い、仕上げにザルなどに入れてざくざくと洗い上げる。水分をよくきり、水から煮出す。これではほとんどだしが出てこないので、しゃもじなどでつぶしながら火を入れる。ザルで濾す。鍋を替えて少量の酒とみそで味つけをする。濃厚な味わい、強い甘味が感じられる汁になる。
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/天洋丸(長崎県雲仙市 ■http://tenyo-maru.com/index_qhm.php?)
『原色日本大型甲殻類図鑑 Ⅰ、Ⅱ』(三宅貞祥 保育社)、『オヨギピンノの生活史Ⅱ』(松尾美好)