トキシラズ

代表的な呼び名サケ

トキシラズの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
胸鰭と腹鰭が離れている。あぶら鰭があり、尾鰭に銀白色の放射線状の筋がある。
4月の岩手県産オオメマス。体長80センチ前後になる。胸鰭と腹鰭が離れている。あぶら鰭があり、尾鰭に銀白色の放射線状の筋がある。

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珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★
知っていたら通人級
食べ物としての重要度 ★★★
一般的(流通量は普通)
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区真骨亜区正真骨下区原棘鰭上目サケ目サケ科サケ属
外国名
Chum salmon, Dog salmon, Keta Salmon
学名
Oncorhynchus keta (Walbaum,1792)
漢字・学名由来

漢字 時不知 Tokishirazu
由来・語源 基本的にサケは秋に産卵回遊してきたものを漁獲するものであるが、春から初夏にかけて未成熟の鮭という意味。「時」は漁の時期のことで、この「時期を知らずしてとれる鮭」。
古くは春から初夏に北洋でとっていたものもトキシラズといった。
漢字 大目鱒
由来・語源 頭部が小さくて目が大きく感じるため。

地方名・市場名
トキ トキザケ オオスケ
場所北海道 
オオメ[大目] オオメマス[大目鱒]
参考佐々木隆治さん 場所三陸岩手県大槌町 

概要

生息域

淡水→海水→淡水[サーモンタイプ]。トキシラズ・オオメマスはロシアの河川に遡河するものが、春〜夏に北海道太平洋沿岸、三陸沖でとれる。
九州北部以北の日本海側の河川、千葉県と茨城県の境を流れる利根川以北の河川に産卵のためにのぼる。生息域は北太平洋。北アメリカのカリフォルニアからベーリング海、オホーツク海をへて朝鮮半島南部。
なかでもロシアの河川で生まれて太平洋(三陸、北海道東沖など)を回遊、ロシアの河川に遡上する。

生態

基本情報

サケは古くは産卵回遊して北海道・本州の河口域に近づいたものを漁獲していた。
トキシラズ(時知らず、時不知)・オオメマスはその秋にロシア尾の河川で産卵する未成熟の個体のこと。
サケは成熟が進むにつれ脂が少なくなるので、未成熟のトキシラズ(時知らず、時不知)・オオメマスは脂がのっていて、とても味がいい。
一般に出回る標準和名サケの季節群のなかでももっとも高価だ。
珍魚度 普通の食用魚だが、流通量は決して多くない。またとても高価である。

水産基本情報

市場での評価 初夏の生(鮮魚)は入荷量が少なく非常に高価。大きいほど高い。
漁法 定置網、流し網
産地 北海道、岩手県、宮城県

選び方・食べ方・その他

選び方

できるだけ大きいもの。銀色の鱗が輝き身に張りのあるもの。

味わい

春から夏にとれて、旬。
鱗は薄く細かく、引きにくい。未成熟で脂がのっていて、赤みが弱い。まさにサーモンピンク
骨は柔らかく、皮は秋鮭と比べると柔らかい。
胃袋、腸、血腸(ちわた)、肝なども美味。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

トキシラズの料理法・調理法・食べ方/焼く(塩焼き、照り焼き、幽庵焼き)、生食(刺身)、揚げる(フライ、唐揚げ)、煮る(煮つけ)、汁(しょうゆ汁、みそ汁、鍋)
トキシラズの塩焼き 脂がのっているので、焼いても硬く締まらず、サケ特有の匂いもほとんどない。三枚に下ろして切り身にして、振り塩をする。1時間以上置く。一日寝かせると保存性が高まる。じっくり焼き上げると実に芳潤。身に甘みとうま味がある。一般家庭で焼くとサケの匂いが出てしまうことがある。こんな場合には焼き上げるとき、酒や若狭地(酒と醤油)を塗りながら焼くといい。
トキシラズの刺身 三枚に下ろして小骨を抜く。軽く振り塩をして1時間以上置き、表面に出て来た水分を拭き取る。これを一度冷凍して刺身にする。完全な生で食べてもいいが、自己責任で。強い甘味とうま味があり、身は柔らかくねっとり舌にからむ。非常に美味。
身も煮汁もすべて味わい尽くすべし。
まさに絶品のすまし汁。
浅漬けの「めふん」。
しょうゆ味仕立ての炊き込みご飯。
これは皮の唐揚げ。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品


トキシラズの筋子(時ざけ筋子) 春から夏にかけて北海道、三陸で上がるトキシラズは未成熟な真子・白子を持っている。この未成熟な真子の塩漬けである。秋ザケと比べると卵粒が小さく柔らかい。

釣り情報

歴史・ことわざなど