カドガワフエダイの料理・レシピ・食べ方/蒸す(蒸し魚)、生食(刺身、皮霜造り)、煮る(煮つけ、鍋)、ソテー(ムニエル)、揚げる(フライ、唐揚げ)、焼く(祐庵焼き、塩焼き)、汁(皮汁。潮汁。みそ汁)
カドガワフエダイの蒸し魚(清蒸) 煮つけると平凡だが、蒸すと大御馳走になる。中華料理の清蒸である。皮も身もとろとろと柔らかく、中華味のタレと一緒になって箸が止まらなくなる。薬味のねぎや香菜などと食べてもいい。
今回は切り身を使ったが頭部を使ってもいい。水洗いして三枚に下ろして水分をよく拭き取る。皿にねぎを渡して切り身を乗せて酒を振る。これを10分前後蒸す。上から中華だれ(中華の甘い醤油と魚醬を合わせたもの。辛味に唐辛子など)をかけて、ねぎ、香菜などを乗せて煙が出るくらい熱した油をかける。
カドガワフエダイの刺身 水揚げから3日後、4日目と刺身を、厚みも変えながら食べ比べてみた。4日目が断然味がある。上品な白身で皮下に脂の層が出来ていた。身が白濁しているのも脂である。この脂の口溶け感があり、豊かなうま味も感じられる。美味揃いのフエダイ属の中でも最上級である。
水洗いして三枚に下ろす。血合い骨を取り、皮を引く。刺身状に切る。
カドガワフエダイの皮霜造り 大方のフエダイ属は皮が硬いが、本種は比較的柔らかい。試しに皮霜造りにしてみた。それでもまだ硬めだが、皮の味がとても豊かである。直下に脂の層があり、甘味が感じられる。水洗いして三枚に下ろす、腹骨・血合い骨と取り、皮に湯をかけて氷水に落として水分をよくきる。これを刺身状に切る。
カドガワフエダイの兜煮 煮ると皮も身も柔らかくなる。身離れがよく、身がとてもほぐれやすい。その皮と身に豊かなおいしさが感じられる。頭部は梨子割りにする。湯通しして冷水に落として表面のぬめりと残った鱗を流す。これを酒・砂糖・醤油・水・しょうがで煮る。
カドガワフエダイのちり鍋 煮ると皮も身もとろんと柔らかくなる。昆布だしの中で、煮え加減をみながら食べると、フエダイ科というよりもタイ科に近い味がする。今回の個体は脂が乗っているので、鍋つゆが濁るが、そのつゆが非常にうまい。水洗いして刺身などで余った尾に近い部分や、かま、腹部の薄い部分などを集めて適当に切る。湯通しして氷水に落として、残った鱗やぬめりを流す。水分をきり、昆布だしに酒・塩で煮ながら食べる。
カドガワフエダイのムニエル 驚くほどふんわり軽い食感である。ふんわりしているのにジューシーで、豊かな味がする。皮においしさもあるので、皮はこのままソテーして正解だったようだ。水洗いして刺身などにしたときの余りなどを集めて塩胡椒する。小麦粉をまぶしてじっくり香ばしくソテーする。
カドカワフエダイの兜焼き 兜焼きでちまちま食べようと思ったら、意外なくらい食べでがある。身離れがいいので食べやすい。皮の風味のよさはもちろん、身に甘みがある。終いの骨湯もおいしい。頭部を梨子割りにする。塩をまぶして1時間ほど寝かせて焼き上げる。
カドカワフエダイの祐庵焼き 塩焼きにしても十二分においしい魚であるが、腹の部分の長い肋骨周りに下味をつけて焼いてみた。上品な白身であるが、そこに調味料の味が加わるとまた別のおいしさがある。水洗いして三枚に下ろし、腹部の肋骨にそって切り分ける。酒・みりん・醤油の地に漬け込んで焼き上げる。
カドガワフエダイの西京漬け フエダイ科の魚だが、身質はタイ科に近いと思っている。漬け魚にできる身質だ。みその甘さとこく、魚自体のおいしさが相まって実に味わい深い。身が繊維に沿ってたやすくほぐれるのもいい。
水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、切り身にする。振り塩をして少し置き、水分を拭き取り、白みそ・みりんを合わせた地に漬け込む。今回は香りづけに柚子を使った。
カドガワフエダイのフライ 大型なので腹の部分をフライにした。脂があるのであつあつの状態のときは、中がとてもジューシーである。その脂に味があり、くせのない白身でとても食べやすい。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、腹の部分の皮を引く。塩コショウして小麦粉をまぶし、溶き卵をからめてパン粉をつけて焼く。
カドガワフエダイの唐揚げ 上質な白身で皮に味がある。腹の骨の部分なので骨が長くその骨の周り、内臓を抱き込む腹腔の部分などいろいろ部分部分で味が楽しめる。酒と塩で味つけしているので、身が少し締まって味わい深い。水洗いして腹の部分の肋骨周りや、切り落とした部分を食べやすい大きさに切る。酒と塩に1時間ほど漬けて水分をきり、片栗粉をまぶして二度揚げにする。
カドガワフエダイのみそ汁 亜熱帯・熱帯系の白身には定番的な料理である。ただ単純に煮だしてみそを溶いただけなのにおかずになる、主菜的な存在感を感じる。みちろん付着した身も食べたいが、ご飯と合わせてうまし、だ。中骨などを集めて置く。適当に切り、湯通しする。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。
カドガワフエダイの潮汁 今回は水で煮だしただけ、なのに中骨だけでこんなにうまいだしが出るとは思わなかった。当然中骨についた身にも甘みがありとても味わい深い。薬味は粗挽きの黒コショウにしたが、これも相性がよかった。中骨を適当に切る。湯通しして冷水に取り、汚れなどを流す。これを水から煮出して酒・塩で味つけする。
カドガワフエダイの皮汁 皮は半分ゼリー状になり、口に含むと甘くてとろっとしている。スープがとても贅沢なアジである。刺身にして皮を引くと、皮の方がうまそうに思える。これを湯通しして氷水に落として表面のぬめりと筋肉を流す。水分をよくきりハーブブイヨンでスープにする。昆布だしでもおいしい。