カドガワフエダイ

カドガワフエダイの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
52cm SL前後になる。体高はやや高く、腹部を除く体幹部分の鱗に褐色の斑紋がある。全体に赤銅色をしている。口の中は黄色い。頬に斑紋がない。[鹿児島県内之浦湾 52cm SL・3.5kg]
52cm SL前後になる。体高はやや高く、腹部を除く体幹部分の鱗に褐色の斑紋がある。全体に赤銅色をしている。口の中は黄色い。頬に斑紋がない。[鹿児島県内之浦湾 52cm SL・3.5kg]
52cm SL前後になる。体高はやや高く、腹部を除く体幹部分の鱗に褐色の斑紋がある。全体に赤銅色をしている。口の中は黄色い。頬に斑紋がない。[鹿児島県内之浦湾 52cm SL・3.5kg]

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珍魚度・珍しさ★★★★
正に珍魚・激レア生物
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目フエダイ科フエダイ属
外国名
John's snapper
学名
Lutjanus johnii (Bloch, 1792)
漢字・学名由来

漢字/門川笛鯛 Standard Japanese name / Kadogawafuedai
由来・語源/宮崎県日南市の『ねこや商店』、門川安秀さんが見つけた個体が、国内で初めての個体(標本)であったことからつけられたもの。
〈1個体,雌,体長 445 mm, 2011年11月22日採集,宮崎県日南市栄松沖合黒島,定置網,水深20–30m,門川安秀採集〉『カドガワフエダイ(新称)Lutjanus johnii の日本からの初記録』(林田奈々、田中文也、瀬能 宏、岩槻幸雄)

Bloch
Marcus Élieser Bloch(マルクス・エリエゼル・ブロッホ 1723-1799 ドイツ)。医師、博物学者。ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー(Johann Gottlob Theaenus Schneider)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。
宮崎県日南市目井津、鹿児島県内之浦。
台湾、オーストラリア北部、アフリカ東岸、紅海、インド洋沿岸。

生態

基本情報

国内ではまだ、あまり見つかっていない。和名がついたのも2011年と遅い。たぶん温暖化で台湾などから北上してきたものと思われる。食用としての評価はなく、まったく未知の魚である。見た目がゴマフエダイに似ていて、味も似ている。間違いなく新しい高級魚となるはず。
珍魚度 明らかに珍魚である。手に入れるのは至難。

水産基本情報

市場での評価/現在のところ流通していない。
漁法/釣り
産地/鹿児島県

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもの。赤銅色が褪せていないもの。

味わい

旬は晩秋から冬ではないか。
鱗は大きいものの比較的取りやすい。皮はやや厚みがありやや硬い。骨はあまり硬くない。
血合いの美しい白身で熱を通しても硬く締まらない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

カドガワフエダイの料理・レシピ・食べ方/蒸す(蒸し魚)、生食(刺身、皮霜造り)、煮る(煮つけ、鍋)、ソテー(ムニエル)、揚げる(フライ、唐揚げ)、焼く(祐庵焼き、塩焼き)、汁(皮汁。潮汁。みそ汁)
カドガワフエダイの蒸し魚(清蒸) 煮つけると平凡だが、蒸すと大御馳走になる。中華料理の清蒸である。皮も身もとろとろと柔らかく、中華味のタレと一緒になって箸が止まらなくなる。薬味のねぎや香菜などと食べてもいい。
今回は切り身を使ったが頭部を使ってもいい。水洗いして三枚に下ろして水分をよく拭き取る。皿にねぎを渡して切り身を乗せて酒を振る。これを10分前後蒸す。上から中華だれ(中華の甘い醤油と魚醬を合わせたもの。辛味に唐辛子など)をかけて、ねぎ、香菜などを乗せて煙が出るくらい熱した油をかける。

カドガワフエダイの刺身 水揚げから3日後、4日目と刺身を、厚みも変えながら食べ比べてみた。4日目が断然味がある。上品な白身で皮下に脂の層が出来ていた。身が白濁しているのも脂である。この脂の口溶け感があり、豊かなうま味も感じられる。美味揃いのフエダイ属の中でも最上級である。
水洗いして三枚に下ろす。血合い骨を取り、皮を引く。刺身状に切る。
カドガワフエダイの皮霜造り 大方のフエダイ属は皮が硬いが、本種は比較的柔らかい。試しに皮霜造りにしてみた。それでもまだ硬めだが、皮の味がとても豊かである。直下に脂の層があり、甘味が感じられる。水洗いして三枚に下ろす、腹骨・血合い骨と取り、皮に湯をかけて氷水に落として水分をよくきる。これを刺身状に切る。
カドガワフエダイの兜煮 煮ると皮も身も柔らかくなる。身離れがよく、身がとてもほぐれやすい。その皮と身に豊かなおいしさが感じられる。頭部は梨子割りにする。湯通しして冷水に落として表面のぬめりと残った鱗を流す。これを酒・砂糖・醤油・水・しょうがで煮る。
カドガワフエダイのちり鍋 煮ると皮も身もとろんと柔らかくなる。昆布だしの中で、煮え加減をみながら食べると、フエダイ科というよりもタイ科に近い味がする。今回の個体は脂が乗っているので、鍋つゆが濁るが、そのつゆが非常にうまい。水洗いして刺身などで余った尾に近い部分や、かま、腹部の薄い部分などを集めて適当に切る。湯通しして氷水に落として、残った鱗やぬめりを流す。水分をきり、昆布だしに酒・塩で煮ながら食べる。
カドガワフエダイのムニエル 驚くほどふんわり軽い食感である。ふんわりしているのにジューシーで、豊かな味がする。皮においしさもあるので、皮はこのままソテーして正解だったようだ。水洗いして刺身などにしたときの余りなどを集めて塩胡椒する。小麦粉をまぶしてじっくり香ばしくソテーする。
カドカワフエダイの兜焼き 兜焼きでちまちま食べようと思ったら、意外なくらい食べでがある。身離れがいいので食べやすい。皮の風味のよさはもちろん、身に甘みがある。終いの骨湯もおいしい。頭部を梨子割りにする。塩をまぶして1時間ほど寝かせて焼き上げる。
カドカワフエダイの祐庵焼き 塩焼きにしても十二分においしい魚であるが、腹の部分の長い肋骨周りに下味をつけて焼いてみた。上品な白身であるが、そこに調味料の味が加わるとまた別のおいしさがある。水洗いして三枚に下ろし、腹部の肋骨にそって切り分ける。酒・みりん・醤油の地に漬け込んで焼き上げる。
カドガワフエダイの西京漬け フエダイ科の魚だが、身質はタイ科に近いと思っている。漬け魚にできる身質だ。みその甘さとこく、魚自体のおいしさが相まって実に味わい深い。身が繊維に沿ってたやすくほぐれるのもいい。
水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、切り身にする。振り塩をして少し置き、水分を拭き取り、白みそ・みりんを合わせた地に漬け込む。今回は香りづけに柚子を使った。
カドガワフエダイのフライ 大型なので腹の部分をフライにした。脂があるのであつあつの状態のときは、中がとてもジューシーである。その脂に味があり、くせのない白身でとても食べやすい。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、腹の部分の皮を引く。塩コショウして小麦粉をまぶし、溶き卵をからめてパン粉をつけて焼く。
カドガワフエダイの唐揚げ 上質な白身で皮に味がある。腹の骨の部分なので骨が長くその骨の周り、内臓を抱き込む腹腔の部分などいろいろ部分部分で味が楽しめる。酒と塩で味つけしているので、身が少し締まって味わい深い。水洗いして腹の部分の肋骨周りや、切り落とした部分を食べやすい大きさに切る。酒と塩に1時間ほど漬けて水分をきり、片栗粉をまぶして二度揚げにする。
カドガワフエダイのみそ汁 亜熱帯・熱帯系の白身には定番的な料理である。ただ単純に煮だしてみそを溶いただけなのにおかずになる、主菜的な存在感を感じる。みちろん付着した身も食べたいが、ご飯と合わせてうまし、だ。中骨などを集めて置く。適当に切り、湯通しする。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。
カドガワフエダイの潮汁 今回は水で煮だしただけ、なのに中骨だけでこんなにうまいだしが出るとは思わなかった。当然中骨についた身にも甘みがありとても味わい深い。薬味は粗挽きの黒コショウにしたが、これも相性がよかった。中骨を適当に切る。湯通しして冷水に取り、汚れなどを流す。これを水から煮出して酒・塩で味つけする。
カドガワフエダイの皮汁 皮は半分ゼリー状になり、口に含むと甘くてとろっとしている。スープがとても贅沢なアジである。刺身にして皮を引くと、皮の方がうまそうに思える。これを湯通しして氷水に落として表面のぬめりと筋肉を流す。水分をよくきりハーブブイヨンでスープにする。昆布だしでもおいしい。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど