小イサキごっそりの季節がすぐそこに
定置網の選別は時間がかかるしたいへんなのだ
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さて、魚食普及に重要なのは水産物の知識である。最近、未利用魚、未利用魚と騒がしいが、ちゃんとわかっている人いるんだろうか。厳密な意味での未利用魚は存在しないのに未利用魚という言葉が一人歩きしている。むしろ低価格魚としたほうがいい。
当然国内各地で聞取をする必要があるが、例えば漁業者に聞いてもいいが、加工品業者、買受人(大卸・仲卸)、小売業の話も重要であり、消費者も重要だということを忘れている人がいる。むしろいちばん未利用魚がわからないのは行政、そして漁業者かも知れないという現実も知るべきだ。
また最近、未利用魚にマイナー魚を加えるなど、魚価の変動を知らずにいろいろ語る、間違ったことを言うヤカラまでいる。
魚価を知らなければ、未利用魚はわからない。そのためには、日常的に魚を買っていないとダメだが、そんな人間見た事がない。
神奈川県小田原市、小田原魚市場、二宮定置を見ていると、まさに夏到来と感じる魚が少なからず登場してきている。
その魁のひとつが小イサキである。
とれるときは半端な量ではなく、ごっそりとれるので「ごっそり」と呼ばれている。
2024年は夏だったが、時季が夏とは限らないのも問題である。
瓜坊、実は産卵を控えた大人なのである
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体長16cm〜17.5cm・60g前後しかなく、子供である証拠の黄色い縦帯が残っている。このサイズまでを神奈川県をはじめ関東では「瓜坊(うりぼう)」と呼ぶ。黄色い縞模様がイノシシの子、瓜坊を思わせるためだ。
ヒトの口に直接入らないというのが、未利用魚の定義だとしたら日本各地の多くの港で、それこそごっそりととれ、漁師がげっそりするという意味で深刻な未利用魚である。
出荷できない魚だからまずいのかというと、さにあらず。非常にうまいから皮肉である。
市場人がおかずに持ち帰る魚のナンバーワンといったもので、ボクもしっかりおかずを確保してきた。
これがせめてマイワシ並みの値段さえつけば未利用ではなくなるのだ。
ほぼ総ての魚の価値をプロと呼ばれる現地仲買、大卸(荷受けで産地から魚を集めてくる)、消費地仲買が決める。
ただこの「ごっそり」に限っては消費者にこの味を知ってもらい、この安値を変えていくしかない。
鱗はとらないまま、いきなり三等分してしまう
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「ごっそり」を持ち帰ったら鱗は取らず、胸鰭の前を袈裟がけに切リ離す。尾を切り落とし内臓を取り、まとめて流水で洗う。10個体処理するのに5、6分とかからない。これをペーパータオルにくるんで冷蔵庫に保存する。
これを夜酒のあてにする。
三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取り、皮を引いて二等分にする。これで刺身が出来上がる。ちなみにこの鱗つきの皮を素揚げにすると非常にうまい。
歩留まりがいい魚なので酒の肴として4、5尾で余りある。
これをただで食べてしまうのはまことに申し訳ない
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この日は睡眠2時間、小田原から帰宅して仮眠2時間なので、なんとなく体が重い。
迷信だとは思うけど、体力回復のためににんにくをすり下ろして添えてみた。
小田原魚市場で二宮定置のみなさんが選別したのが午前5時前、それから17時間立つのに身はしこしことして食感が心地よい。
イサキならではの濃厚なうま味がある。
瓜坊なのに生殖巣を膨らませて一丁前に産卵前で、脂が乗っている。この脂の口溶け感もいい。
たぶん、食べているとき、こんなにうまいものはこの世にない、と誤解してしまうものが、普通(ボクの言語としては最高の賞賛)にうまいものなのだと思っている。
その誤解が一切れ一切れに生まれては消える。
味を純粋に評価すると、高級魚となってしかるべきだ。

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
イラスト図解 寿司ネタ1年生



