4月4日 久しぶりのオオミゾ
一般的には見慣れぬ地味な貝だ

プロの間での話ではあるが、オオミゾガイは珍しくもなんともない普通の食用貝だ。基本的にホッキガイ(ウバガイ)漁に混ざるものだけど、ホッキガイ以上の高値をつけ始めている。八王子にはめったに来ないために、豊洲場内で見つけると必ず買う。
豊洲場内には貝類を多様に取りそろえている小物屋(すし種や天種を扱う店)が少なくない。『鈴千代』という仲卸は小物だけではなくいろいろ扱っているみたいだが、貝類の品揃えは場内でも屈指だと思っている。
それが証拠にここでオオミゾガイを始め、意外に手に入れにくいビノスやエゾキンチャクなどを手に入れている。
ちなみにユキノアシタガイ科の食用貝で一般的なものはオオミゾガイだけである。ユキノアシタも食用とされていることを最近になって知ったが、非常にローカルなものでしかない。
このオオミゾガイが大層うまいのである。基本的にブランドアカガイなど以外では二枚貝はあまり高くない。料理店などが使う場合歩留まりが悪いからだ。その歩留まりが、やたらにいいのがオオミゾガイなのだ。
出盛りの山椒と出合いのもの

1㎏弱ほど買って浮き浮きしながら帰宅する。
元気な内に剥き身にして砂をていねいに洗い流す。
刺身で食べられる水管と足、それ以外を分ける。
今回水管をあぶりにし、煎り焼きにする。
煎り焼きはフライパンでから煎りし、酒・醤油で味つけしただけの簡単な料理だが、出盛りの山椒の葉をたっぷり使ったら、名状しがたい味となる。