北前船の塩屋で、結構なそばを食らう
思わぬ場所にそばの名店あり、なんて思う
![]()
食べ歩きをしないので、旅先での食事は、朝市とか直売所とか市場で買った物で済ますことが多い。
あわただしく水産生物を探し、食文化を探しているので、食事のことにまで頭が回らないのだ。
当然、ボクの旅先飯はなりゆき、行き当たりばったりとなる。
さて、新潟県村上市岩船への旅で、朝の釣り漁と、昼の網漁の水揚げの間に時間ができた。
だれもいない競り場でいても仕方がない。
釣り漁師のオカミサンに教わった、村上市塩谷のみそ・醤油の醸造所に行く。
塩屋は北前船の帰港地のひとつで古い家並みが残っている。
前々から行ってみたかったところでもある。
塩屋の切妻の商家の中に、野澤食品工業があって、昔ながらの家屋でみそ・醤油を作っていた。
いろいろ買い込んだときに、腹の虫が騒ぎ始めた。
「このあたりに昼をとれるところありませんか?」
と聞いたら、近所にそば屋があるという。
予約を取っていただき、向かったら、週末だけ開いているという店だった。
塩屋の家々には屋号がある。
この家の屋号が山に千で、「やません」という。
それにちなんで『蕎麦 やません』である。
店の前に待っている人がいる。
11時になって日本海側ならではの二重戸を入ったら、明らかに普通の住宅そのもので、あっと言う間に満席となる。
品書きから「野菜天そば」にする。
これが予想以上の味だった。
何よりも、そばがおいしい。
都内広しといえども、このレベルのそばにはめったにありつけない気がする。
そして脇役とも主役とも言えそうなのが、野菜ならぬ山菜だった。
初めての山菜がやけにうまいのにおののく
![]()
長方形の皿に、赤こごみのごま和え、蕗のとうみそ、山うるいの浸し。
すべて後々わかったことだけど、赤こごみはイッポンワラビ、山うるいはオオバギボウシである。
赤こごみがやたらにうまいのにビックリする。
![]()
酢のものはハマボウフウだと思われる。
上品な酢加減で、防風の味が生きている。
そばの間にいい口直しとなる。
![]()
天ぷらは、コシアブラ、こごみ(クサソテツ)、かぼちゃだった。
油がいいのだろう、口に含み鼻に抜ける香りがいい。
ちなみにこの日(4月26日)が今季初コシアブラとなった。

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
イラスト図解 寿司ネタ1年生



