コラム

水産物の勉強は近所のスーパーで、ヒラマサの刺身

冊は後は切るだけなのでだれでも刺身が作れる


生活するのに牛肉や豚肉、鶏肉の知識はほんのちょっぴりしかいらない。
あえて言うと、いいものを置いている店を知っているだけでいい。
テレビに出ている料理研究家など、「この誰もが知っている、勉強しなくてもいいもの」に関してすら普通以上の知識を持っているようには思えないし、テレビ局もそれを求めていない。
でも一般常識的な水産物を活用するには知識が必要である。
だからテレビは水産物をできるだけとりあげない。

一般的な水産物をめぐる事項は調べれば調べるほど広大無辺で限りがなく、大量の情報を受けていると地上が抜けて奈落に落ちそうになるが、普通の人は最小限の知識でいい。
今のところ、水産物に真に詳しい人間は、世の中にボクも含めて一人もいない。
別に詳しくなくてもいいから、日々の食卓や、自然保護のために最低限の水産物の一般常識だけは知っておくべきだ。

最近のスーパーはがんばっている。
水産物を学ぶなら、大仰な話や高い専門店などは無視して、スーパーの魚売場(水産物売場)をちゃんと見ることから始めるべきだ、という話をしたい。
スーパーの水産物売り場に何が並んでいるか、「見る力」を手に入れるだけで、食べものに関する世界観が変わるはずだ。

我が家の近所にあるスーパーは関東では店舗が多く知名度も高い。
普通のスーパーでしかないが、いろんな水産物が見られる。
平日のある日には、ウスメバル、ウスバハギ、「アカシタビラメ(イヌノシタ)」、「黒がれい(クロガレイ)」、メカジキ、キチジ、マアジ、ブリ、ヒラマサ、サザエ、マガキ、「ほっきがい(ウバガイ)」、ヤマトシジミ、アサリなどなどが並んでいた。
我が家にはたくさん魚があったものの、長崎県産ヒラマサの冊を買ってみた。
念のために、スーパーの研究をしない、買い物をしない水産物の専門家は失格というか、偽物である。

重さを計ったら、とてもお買い得値段だった


ヒラマサを知っている人はこの国の人間の1パーセント以下だと思っている。
地方名が多い魚だが、その地方名を知っている人間を含めての1パーセントである。
売場でボクの隣の男性が、ブリの写真(たぶん自分で釣ったものらしい)を見せながらヒラマサの説明をしていた。
「広い意味ではアジの仲間で、このブリに近い魚だ」というのと「これからおいしい」と話していた。
素晴らしい。
説明はほぼパーフェクトで魚を知らない人に、これ以上説明してはいけない。

長崎のヒラマサは脂が乗っていて美味だった


ボクはいちばん小さな切り身を選んで、刺身にして食べた。
「長崎県の天然もののヒラマサは脂がのっている」ことがわかり、水揚げ後の時間はわからないが、ちょうどいい鮮度である。
ヒラマサは岐阜県多治見市でも見ているし、群馬県館林市のスーパーでも見ている。
決して珍しくはないけれど、これを初買いすると、国内では希な1パーセントの中に入ることができる。


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