アコウダイは煮つけがいちばんだけど、たまには生で
周りをまんべんなくあぶった焼霜造り
![]()
東京で昔から珍重されてきたのがアコウダイである。
「赤い魚」が変化して「赤魚鯛(あこうだい)」という。
昔、築地の床屋で一緒になった老人は、「高くても(食堂に)あったら食べるね」と言っていた。
もちろん煮つけで食べたいわけで、築地場内に、うまいアコウダイの煮つけを出す食堂があったらしい。
食堂の煮つけは今や幻だが、今回のアコウダイは煮つけにする前に生で食べた。
近年、アコウダイの生は普通どころか、高騰しすぎているので生で出さないと元が取れない、という料理人も多い。
生といっても刺身よりも、焼霜造りがいちばんうまいと思っている。
刺身で食べると味の深みというか、味が単純すぎるのである。
皮の裏側には、身と違った質の脂があって皮と一緒になって、非常に豊かで複雑なうま味を作り出している。
本種の脂は熱を加えることで液体となり半固体となる。
舌にぬるりとしてうまい。
もちろんあまり主張しない身にも脂が混在しているので、甘味がある。
年齢とともにわかってきた刺身の味
![]()
ついでに、最近、なんの変哲もない刺身がじょじょにうまいと思えるようになってきている。
舌に上品な感触を残して、ほどほどのうま味と甘味がある。
あっけないけど平凡だけどボク好みの味でもある。
やはり合わせるのは日本酒で、「桂月 超辛口 原酒 特別純米」を正一合ほど。

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
イラスト図解 寿司ネタ1年生



