
8m TL 前後になる。体は非常に細長く側扁する。腹鰭は1条で非常に長い。背鰭前方の5棘は非常に長く、6棘はそれよりも長い。
リュウグウノツカイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★ 知っていたら通人級 |
★ 食用として認知されていない |
★★ まずくはない |
分類 |
顎口上綱硬骨魚綱綱条鰭亜綱新鰭区新骨亜区正新骨下区アカマンボウ上目アカマンボウ目リュウグウノツカイ科リュウグウノツカイ属
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外国名 |
Slender oarfish, Oarfifsh
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学名 |
Regalecus russelii (Cuvier, 1816)
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漢字・学名由来 |
漢字 龍宮遣
由来・語源 珍しいためだと思われる。
『水族志』にリュウグウノマモリガタナ(龍宮の守り刀)、マダチヲ、ヒモタチヲ。『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) Cuvier バロン・ジョルジュ・レオポルド・クレティアン・フレデリック・ダゴベール・キュヴィエ(Baron Georges Léopold Chrétien Frédéric Dagobert Cuvier 1769-1832) スエーデンのリンネ、フランスのビュフォンの分類体系に解剖学や古生物学などを加味して現在の形の礎を作った巨人のひとり。
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地方名・市場名 [?] |
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生息域 |
海水魚。沖合の深層。
北海道室蘭〜九州南岸の太平洋沿岸、北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海、沖縄本島、西表島。韓国釜山、済州島、海南島、トンキン湾。インド-太平洋域、南アフリカ、地中海。 |
生態 |
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基本情報 |
リュウグウノツカイ科は世界中に2種。本種は太平洋・インド洋に広く分布。深海に生息し、希に浅場でとれたり、打ち上がったりする。日本各地で揚がり、珍魚中の珍魚といった報道がなされるが、それほど珍しい魚ではない。とれる個体が少ないのは水揚げなどのときに体がもろいので破損する。もしくは持ち帰らないなど忌避の対象であるためかも。
実際に神奈川県小田原小田原魚市場に魚を持ってくる定置網漁師さんに、持ち帰らず、ていねいに逃がすという人がいる。
人魚伝説の正体とも考えられている。
一般的な食用魚ではない。 |
水産基本情報 |
市場での評価 非常に希に入荷する。魚店、料理店などに飾る物で食用としての販売はしない。
漁法 定置網
産地 神奈川県、静岡県 |
選び方 |
触って張りのあるもの。 |
味わい |
旬は不明。
鱗は非常に取れやすい。皮は薄くて脆弱。骨は柔らかい。
水分の多い白身。 |
栄養 |
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寄生虫 |
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食べ方・料理法・作り方 |
リュウグウノツカイの料理法・調理法・食べ方/汁(潮汁)、焼く(干もの、塩焼き) リュウグウノツカイの潮汁 非常に水分が多く、全体がもろい。これを適当に切り、湯通しして冷水に落とす。水分をよくきり、昆布だしで煮だして酒・塩で味つけしたもの。単に水で煮だしてもいい。意外にもいいだしが出て、身は柔らかくとろりと口の中でとけて美味。
リュウグウノツカイの塩焼き 切り身にして振り塩をして1時間ほど置く。表面の水分を拭き取り、やや強火で焼き上げる。身は水分が多いので縮むが硬くなることはない。イヤミのない味わいであるが食べ出がない。 リュウグウノツカイの干もの 尾に近い部分は細く左右に薄い。これをなにもしないで干し上げる。やや強めに干して焼き上げたもの。皮目に独特の香りがあり、捨てがたい味わい。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
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加工品・名産品 |
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釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
リュウグウノツカイを忌避 神奈川県小田原市の早川から真鶴町にかけての漁師さんは、定置などに入ってもできるだけ触らないようにして逃がす(捨てる)。絶対に水揚げをしてはいけないという。1980年代初め、沖で釣りをしていたとき、関東大震災を見たという老漁師から、「震災の前に見た」、「もしも海で見つけると避ける」という話を聞く。 |
参考文献・協力 |
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) |
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