
SL 80cm前後になる。くちばしの部分はヘラ状で徐々に断面が丸くなる。下顎前端にヒゲがある。
ヘラヤガラの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★ 知っていたら達人級 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
★★★ 美味 |
分類 |
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スメグマモルフ系トゲウオ亜系トゲウオ目ヨウジウオ亜目ヘラヤガラ科ヘラヤガラ属
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外国名 |
Chinese trumpetfish
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学名 |
Aulostomus chinensis (Linnaeus,1766)
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漢字・学名由来 |
漢字 篦矢柄
由来・語源 田中茂穂の命名。ヤガラに近い魚で仲間で「篦(へら)」のように左右に平たいため。 Linnaeus Carl von Linné(カール・フォン・リンネ 1707-1778 スウェーデン)。二名法を確立。
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地方名・市場名 [?] |
ヒフキダケ[火吹き竹] 場所東京都八丈島 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) |
生息域 |
海水魚。サンゴ礁域の水深30メートルよりも浅場。
相模湾〜九州南岸の太平洋沿岸、屋久島、若狭湾、琉球列島、東大東島。
台湾南部、東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島、インド・太平洋域。 |
生態 |
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基本情報 |
暖かい海域の、沿岸の浅い岩礁域にいる魚で見た目は変わっているが、珍しい魚ではない。定置網などに入るが非常に硬い小骨が無数にある。実に煩わしく、食用になりにくい。上質の白身で味があるのに残念。食べ方に工夫がいる。
産地でもほとんど水揚げされることなく、放流、廃棄されている。 |
水産基本情報 |
市場での評価 入荷しない。活魚などは観賞用に需要がありそうだが、食用としての価値はほとんどない。
漁法 定置網
産地 |
選び方 |
触って張りのあるもの。悪くなると腹部が軟らかくなり、色が薄くなる。 |
味わい |
旬は不明。
鱗は細かく硬く取りにくいので、そのまま引くといいと思う。皮はやや厚め。皮は焼くと独特の風味が出る。中骨は硬く、皮近くから中骨に繋がる細くて硬い骨が無数にある。
透明感のある白身で熱を通すと適度にしまる。ほんのり甘味があり、味がいい。 |
栄養 |
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寄生虫 |
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食べ方・料理法・作り方 |
料理法 汁(みそ汁、潮汁)、塩焼き、煮つけ、生食(背ごし)、揚げる(唐揚げ)  ヘラヤガラの潮汁
潮汁。適宜に切り、水から煮出して酒を加える。あとは塩かみそで味つけするだけ。さし昆布をするとより味わい深くなる。小骨が多いので要注意。  ヘラヤガラの塩焼き
塩焼き。皮目に独特の風味があり、皮下にゼラチン質の甘さを感じさせる部分がある。ただし小骨が多く、身を食べるのは甚だしく煩わしい。  ヘラヤガラの煮つけ
煮つけ◆身自体に甘味があり、ゼラチン質を含み皮の部分にうま味がある。小骨が多く実に食べにくい。  ヘラヤガラの背ごし
「背ごし」。和歌山県和歌山市雑賀崎の郷土料理。本種の場合、皮が硬いので引き、1mmほどの厚みになる思いで(これでもかなりの厚みになる)切りはなしていく。これを雑賀崎では酸味のほどよい九重酢に浸す。ある程度そのまま置き、食べるときに好みで塩、しょうゆで食べる。味の素などのうま味調味料を加えてもいい。  ヘラヤガラの唐揚げ
「唐揚げ」。三枚に下ろして身の方から骨切り、片栗粉をまぶしてじっくりと揚げる。揚がりたてに振り塩をする。カレー塩を振ってもいい。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
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加工品・名産品 |
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釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
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参考文献・協力 |
協力/ねこや商店(宮崎県日南市油津)
『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972)、『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226) |
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