ウチワフグ

Scientific Name / Triodon macropterus Lesson, 1831

ウチワフグの形態写真

40cm SL 前後になる。体表の鱗などが網目状になっていてとても硬い。体は側へんする。腹部は膜状になり非常に大きい。歯は上顎に2、下顎に1で3、くちばし状。腹部に白い縁取りのある黒く丸い斑紋がある。背鰭棘はまったくないか、痕跡的。[腹部の膜状の部分を広げた状態]
ウチワフグの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
40cm SL 前後になる。体表の鱗などが網目状になっていてとても硬い。体は側へんする。腹部は膜状になり非常に大きい。歯は上顎に2、下顎に1で3、くちばし状。腹部に白い縁取りのある黒く丸い斑紋がある。背鰭棘はまったくないか、痕跡的。[腹部の膜状の部分を広げた状態]40cm SL 前後になる。体表の鱗などが網目状になっていてとても硬い。体は側へんする。腹部は膜状になり非常に大きい。歯は上顎に2、下顎に1で3、くちばし状。腹部に白い縁取りのある黒く丸い斑紋がある。背鰭棘はまったくないか、痕跡的。[腹部の膜状の部分を閉じた状態]40cm SL 前後になる。体は側へんする。腹部は膜状になり非常に大きい。歯は上顎に2、下顎に1で3、くちばし状。腹部に白い縁取りのある黒く丸い斑紋がある。背鰭棘はまったくないか、痕跡的。40cm SL 前後になる。体表の鱗などが網目状になっていてとても硬い。体は側へんする。腹部は膜状になり非常に大きい。歯は上顎に2、下顎に1で3、くちばし状。腹部に白い縁取りのある黒く丸い斑紋がある。背鰭棘はまったくないか、痕跡的。腹部に白い縁取りのある黒く丸い斑紋がある。背鰭棘はまったくないか、痕跡的。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★★
      正に珍魚・激レア生物
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度


      食用として認知されていない
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系フグ目フグ亜目ウチワフグ科ウチワフグ属

    外国名

    Three-toothed puffer
    言語英名 
    Threetooth Puffer
    言語英語 場所オーストラリア 備考Fishes of Australia 

    学名

    Triodon macropterus Lesson, 1831

    漢字・学名由来

    漢字 団扇河豚 Standard Japanese name / Uchiwafugu
    由来・語源 神奈川県三崎での呼び名。形から。
    〈うちわふぐ 安房〉。『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年)
    〈ウチワフグ 団扇河豚 Triodon bursarius Reinwardt 神奈川縣三崎でウチワフグと云う〉。『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年) Triodon bursarius Reinwardt はシノニム。
    学名/Triodon (3つの歯)  macropterus(大きな翼の)。『日本産魚類全種の学名 語源と解説』(中坊徹次・平嶋義宏 東海大学出版部 2015)

    Threetooth Puffer 上顎の板状の歯は2、下顎の板状の葉は1で、3つの歯のフグ。

    地方名・市場名

    ウチワフグ
    場所千葉安房・神奈川県三崎 参考文献 
    オージバー
    場所沖縄 

    生息域

    海水魚。水深50〜300m。
    富山湾、[京都府伊根町新井崎]、福島県いわき市久之浜、神奈川県三崎、東京都鳥島沖、[駿河湾戸田]、和歌山県串本、長崎県、土佐湾、琉球列島。
    インド-西太平洋。

    生態

    11月末の個体は大きな卵巣を抱えていた。

    基本情報

    フグ科ではなく、ミトコンドリアゲノムの分析の結果、ベニカワムキ科やハコフグ科に近い。毒性はないという説がある。(高知大学)
    また国内でも食用としている地域があるという。
    〈1本釣りで漁獲され肉は食用になる。[松浦啓一]〉『日本産魚類大図鑑』(益田一、荒賀忠一、尼岡邦夫、上野輝弥彌、吉野哲夫 東海大学出版会 1984)、〈食用になる〉『原色魚類大圖鑑』(阿部宗明 北隆館 1987)
    以上で、内臓や生殖巣以外、筋肉は無毒である。
    珍魚度 明らかに珍魚。めったにとれないし、手に入れることが出来ない。

    水産基本情報

    市場での評価/流通上は見ていない。
    漁法/底曳き網、釣り、定置網
    産地/静岡県、京都府、長崎県など。

    選び方

    味わい

    旬は不明。
    鱗は硬く皮と一体化している。皮を剥いで料理するしかないがとても大変である。
    血合いの赤い白身で、フグ科よりもモンガラカワハギ科に近い身質をしている。
    筋肉を食べているという情報があるだけなので、内臓は食べなかった

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ウチワフグの料理・レシピ・食べ方/焼く(塩焼き)、揚げる(フライ)、煮る(煮つけ)、ソテー(ムニエル)、生食(刺身)

    ウチワフグの塩焼き 頭部から腹部にかけて大きな骨がある。明らかに腹の部分を広げるためのものだ。ここに筋肉がついていて、硬く締まってる。塩焼きにするとなお締まり、食感は鶏肉に近い。その上、豊かなうま味がある。
    ウチワフグは鰭などを取り、腹の際部分を切ってそこから皮を剥き、背中からも剥く。腹の皮を剥くと出てくるのが非常に長くて大きな骨で、その周りに身がついている。振り塩をして1時間くらい寝かせて焼き上げる。

    ウチワフグのフライ 身はフグと言うよりもカワハギ科などに近い。揚げても強く締まらず、適度に繊維質でほぐれる感覚がある。フライのパン粉の香ばしさに、身は鶏のささみに似た食感でうま味がある。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、塩コショウする。小麦粉をまぶし、溶き卵をからめてパン粉をつけて揚げる。
    ウチワフグの煮つけ 頭部にはたっぷり身がついている。煮ても硬く締まらず、ふっくらとする。身に甘みがあり非常に味わい深い。終いの骨湯も非常においしい。水洗いして頭部を梨子割りにした。湯通しして冷水に落とす。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水で煮る。
    ウチワフグのムニエル ムニエルはフグ目の魚にはあまり向かないと考えていたので、おいしさにびっくりした。やはりフグ科とは身質が違っている。じっくりソテーすると表面は香ばしく、中は柔らかい。身に甘味とうま味がある。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、塩コショウする。小麦粉をまぶしてじっくりソテーする。
    ウチワフグのみそ汁 頭部やかま、中骨などを集めてみそ汁を作ってみた。汁にするとフグ目らしい味が出る。だしが非常においしい。骨に付着した身もとてもおいしい。頭部やかまなどは食べやすい大きさに切る。湯通しして冷水に落として残った内臓やぬめりを流す。水分をよくきり水から煮出してみそを溶く。
    ウチワフグの刺身 刺身はフグよりもマゴチを思わせるような白身である。血合いも赤く、身が均質である。脂はないが甘味とうま味がある。ただ食感はあまりいいとはいえず、味は平凡である。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、皮を引いてやや薄めに切りつける。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/魚喰民族 石田拓治さん(長崎県長崎市) 大西幸子さん(京都府伊根町)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
  • 主食材として「ウチワフグ」を使用したレシピ一覧

関連コンテンツ