ヤマブキハタ

ヤマブキハタの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
50cm SL 前後になる。全体がレモンイエローと薄赤い色合いの部分がある。背鰭棘は8、腹鰭5軟条で腹部との間に膜状のものがある。
背鰭棘は8。
腹鰭5軟条で腹部との間に膜状のものがある。
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科ヤマブキハタ属
外国名
Golden grouper
学名
Saloptia powelli Smith, 1964
漢字・学名由来

漢字 山吹羽太 Yamabukihata
由来・語源 山吹色(黄金色)のハタという意味だが、英名/Golden grouper を訳しただけかも。標準和名は片山正夫の命名である可能性がある。タイプ標本はクック諸島。

Katayama
片山正夫(1912~1989年 山口大学教授、山口県生まれ)。広島高等師範学校から農水省水産講習所(後の東京水産大学)。師範学校教師を経て、山口大学へ。特にスズキ科(当時はハタなども含んでいた)を研究。ヒラスズキ、アオダイを記載、和名をつけた。アカハタモドキ、ヤマブキハタなど、多くの和名をつけたものと思われる。
地方名・市場名
ジセイミーバイ
参考『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972)、『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県・南城市知念漁協 

概要

生息域

海水魚。岩礁域。
小笠原諸島、薩南諸島、沖縄本島。
台湾南部、マリアナ諸島、マーシャル諸島、ポリネシア。

生態

基本情報

小笠原でとれる魚なので東京では決して珍しい魚ではない。都内市場ではときどき流通し、買うことが出来る。ハタ科ではあるがやや水っぽいので評価は低く、高値ではあるがマハタなどと比べると安い。主に東京都、鹿児島県で水揚げされる魚である。

水産基本情報

市場での評価 ハタ科では安い。関東には伊豆諸島、小笠原から入荷してくる。値段はハタとしては比較的安い。
漁法 釣り
産地 小笠原、鹿児島、沖縄

選び方・食べ方・その他

選び方

触って硬いもの。鰓が鮮紅色のもの。

味わい

旬は調べているところ。
鱗は細かく皮膚に一部を入り込んでいて取りにくい。皮は厚みがあって硬い。骨はやや硬い。
やや水分の多い白身で熱を通すと硬く締まる。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ヤマブキハタの料理法・レシピ・食べ方/汁(鍋、みそ汁)、煮る(煮つけ)、揚げる(唐揚げ)、生食(セビチェ、カルパッチョ、刺身)、ソテー(ポワレ、バター焼き)
ヤマブキハタの鍋 水洗いして刺身などにしたときのあらや切り身を使う。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、昆布だしに酒、塩で味つけした汁の中で煮ながら食べる。具はねぎだけのシンプルなもの。煮込むと身も皮も柔らかくなり、いいだしもとれて美味。後のぞうすいもおいしい。
ヤマブキハタの煮つけ 水洗いして頭部を梨子割りにする。湯通しし冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよく切り、醤油・酒・砂糖・水でじっくりと煮上げたもの。皮がゼラチン質で甘味がある。短時間では軟らかくならないので、やや長めに煮るとうまい。
ヤマブキハタのみそ汁 沖縄の郷土料理「みーばい汁」だ。あらを集めて置く。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をきり、水から煮出してみそを溶く。青みなどはお好みで。実にうま味豊かなだしが出て非常にうまい。
ヤマブキハタのセビチェ 単に刺身にするよりも柑橘類を使ったセビチェやカルパッチョにした方がうまい。セビチェは身を細かく切り、青唐辛子、紫玉ねぎを合わせて塩コショウする。これにライムを加えて軽く混ぜる。追加のライムを添えて出す。
ヤマブキハタの刺身 身洗いして三枚に下ろして皮を引く。これをやや薄めに造る。やや水分が多くうま味に欠ける部分があるものの、嫌みのない味わいだ。
ヤマブキハタのポワレ 水洗いして三枚に下ろして切り身にする。塩コショウしてじっくり低温でソテーする。仕上げに白ワインとシェリー酒でデグラッセしてソースに。熱を通すと身が硬く締まり、縮むが味は決して悪くはない。
ヤマブキハタの唐揚げ あらを集めて置く。あらに片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げしたもの。揚げると香ばしく、鶏肉のように締まり、身が繊維質にほどけて美味だ。
ヤマブキハタの塩焼き 三枚に下ろして切り身にする。振り塩をして1時間以上寝かせて、じっくり焼き上げる。身は硬く縮むものの嫌みがなく味はいい。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど