ボロサクラダイ
22cm SL 前後になる。体高があり、尾鰭軟条が糸状に伸びる。尾柄部に黒い横帯がある。
魚貝の物知り度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
食べ物としての重要度 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 |
★★★★ 非常に美味 |
分類 |
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハナダイ科ハナダイ亜科イッテンサクラダイ属
|
外国名 |
ー
|
学名 |
Odontanthias rhodopeplus (Günther, 1872)
|
漢字・学名由来 |
漢字/襤褸桜鯛 Borosakuradai
由来・語源/田中茂穂、もしくは周辺の人間が東京市場(築地)で発見したのだと思う。全長168mmなので幼魚であることや状態が悪かったのではないか? 桜鯛(サクラダイ)は不明。『日本産魚類圖説』(田中茂穂) Günther, Albert Karl Ludwig Gotthilf Günther (アルベルト・ギュンター 1830-1914 ドイツ→イギリス)。動物学者。
|
地方名・市場名 |
|
概要
生息域
海水魚。水深150-340m。
神奈川県二宮沖、和歌山県宇久井、長崎県、屋久島、沖縄諸島、宮古諸島水納島沖。
台湾南部、スラウェシ島、アデン湾、ベンガル湾。
生態
基本情報
非常に珍しい魚で国内でもあまり水揚げされたことがない。世界的にも珍しいのかも。これが長崎に揚がる不思議さを思う。
ハナダイ亜科ではやや大型だが、流通上安いので持ち帰ってこない可能性がある。
水産基本情報
市場での評価/一度も見ていない。
漁法/釣り
産地/長崎県
選び方・食べ方・その他
選び方
触って張りのあるもの。鰓が赤く、退色していないもの。
味わい
旬は不明。
鱗は硬く小さいが摂りやすい。皮は厚みがあって強い。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で血合いが薄い。熱を通すとやや締まる。
栄養
危険性など
食べ方・料理法・作り方
ボロサクラダイの料理・レシピ・食べ方/生食(皮霜造り、刺身)、ソテー(バター焼き)、焼く(塩焼き)、汁(みそ汁)、揚げる(唐揚げ)、煮る(煮つけ)
ボロサクラダイの焼霜造り(あぶり) 三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。皮目をあぶり、冷水に落として粗熱をとる。少し冷やして落ち着かせて刺身状に切る。ハナダイ亜科なのに微かに脂を感じる。皮にほどよい食感、うま味があり、身がほどよく繊維質で甘味がある。
ボロサクラダイの刺身 皮に甘味とうま味があるが、焼霜はやや騒がしい味になる。皮を引いて普通に刺身にしても、微かに脂が感じられてとても味わい深い。ハナダイ亜科とは思えない味わいだ。
ボロサクラダイのバター焼き ハナダイ亜科の魚で、ソテーすると強く締まるものがあるが、本種はそれがなかった。水洗いして塩コショウして多めの油でソテーする。仕上げにマーガリン(バターでも)で風味づけする。
ボロサクラダイの塩焼き もっともハナダイ亜科の魚に向いていない料理法だと思っていた。それが意外にもイケル味である。二枚に下ろして骨つきの方に振り塩をする。1時間以上ねかせて、じっくり焼き上げる。
ボロサクラダイのみそ汁 頭部あらを集めて置く。湯通しして冷水に落とし残った鱗やぬめりを流す。これを水から煮出してみそをとく。薬味はお好みで。豆腐などもいい。思った以上にうま味のあるだしがでた。頭部の皮なども美味。
ボロサクラダイの唐揚げ 鰭際、中骨などを集めて片栗粉をまぶしてじっくり二度揚げにする。鰭などが香ばしく、身は適度にしまりうま味が感じられる。皮は少しねっとりして、ほどよく繊維質なのもいい。
ボロサクラダイの煮つけ 水洗いして湯にくぐらせて氷水にとる。残った鱗やぬめりを流して水分をよくきり、水・醤油・酒で煮る。固体差があるのかも知れない。かなり強く締まり、うま味が感じられなかった。希少な魚なので課題としたい。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
歴史・ことわざなど