ヤマトカマス
代表的な呼び名ミズカマス
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珍魚度・珍しさ | ★★ 少し努力すれば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目カマス科カマス属
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外国名 | Japanese barracuda
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学名 | Sphyraena japonica Bloch and Schneider,1801
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漢字・学名由来 | 漢字 大和叺、大和梭子魚 Standard Japanese name / Yamatokamasu Bloch Marcus Élieser Bloch(マルクス・エリエゼル・ブロッホ 1723-1799 ドイツ)。医師、博物学者。ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー(Johann Gottlob Theaenus Schneider)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行。 Schneider Johann Gottlob Theaenus Schneider(ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー 1750-1822 ドイツ)。博物学者。マルクス・エリエゼル・ブロッホ(Marcus Élieser Bloch)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行、完成させた。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。沿岸の浅場。
新潟県〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、北海道〜九州南岸の太平洋沿岸、小笠原諸島、瀬戸内海。
朝鮮半島東岸・南岸、浙江省、台湾堆、香港。
生態
相模湾では6月に小型が揚がり始め、10月になると26cm SL 前後が揚がる。11月になるとじょじょに姿を消す。
比較的沿岸域の浅場で一生を送る。
産卵期は春。
基本情報
琉球列島を除く日本列島の浅場にいる魚で、旬は初夏から秋。立秋(8月初旬)から秋にかけてまとまって入荷してくる。旬がはっきりしているのも本種の特徴である。
国内で食用となるカマス類はアカカマスとヤマトカマスの2種だが、一般の人間で区別できる人はめったにいない。よくアカカマスより劣るという人がいるが、問題は時季と鮮度である。むしろ安くておいしい魚と考えた方がいい。
鮮魚での流通もあるが、干もののなどに加工されることが多い。
鮮度落ちが早いのが難点ではあるものの、とてもおいしい魚で、今以上に鮮魚で食べてもらいたい魚のひとつだ。
珍魚度 一般的な食用魚である。ただし年間を通して流通しない上に、鮮魚での全国的な流通は少ない。手に入れるためには少々努力を要す。
水産基本情報
市場での評価/関東には千葉県や神奈川県からときにまとまって入荷してくる。安い。
漁法/定置網
産地/神奈川県、千葉県
選び方・食べ方・その他
選び方
触って張りがあり硬いもの。古くなると色があせて白っぽくなる。
味わい
相模湾での旬は大型が揚がる9月〜11月。
鱗は薄く小さく取りやすい。皮は厚みがありしっかりしている。骨は細いが硬い。
透明感のある白身だが血合いが大きく、すぐに黒っぽく変色する。熱を通してもあまり硬く締まらない。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
水洗いして皮付きのまま開く。背鰭、背鰭の担鰭骨などをていねいに取る。腹骨・血合い骨もとっておく。これに振り塩をしてペーパータオルなどにくるんで冷蔵庫に保存する。このとき余分な水分がとれる。さらに水分を拭き取り、コショウやハーブなどを振り、小麦粉をまぶし、溶き卵をからめ、パン粉をつけて高温で揚げる。
上品な白身に皮目の独特の風味がパン粉の香ばしさの中で浮かんでくる。揚げた香ばしさ以上に本種のうまさが際立つ。
三枚に下ろして腹骨・血合い骨をとる。皮を引き、刺身状に切る。産地などでもっとも食べたい味であるが、意外にありつけない。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
現在でも真鶴などでゴムチューブを使った疑似餌でのカッタクリ釣りが行われている。比較的岸近くでの釣りで手軽に楽しめる。
歴史・ことわざなど
「かますの焼き食い一升飯」はカマスは焼くとご飯に合いうまいということ。本種とアカカマス共通のことわざだ。
地方名・市場名
サイズ / 時期小型 参考岩田昭人さん 場所三重県尾鷲市
参考三重県『東紀州のお魚リスト』 場所三重県東紀州
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所別名
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県周参見
備考アカカマスと比べると岸寄りにいるため。 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県湯浅
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県田辺
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県田辺市
参考江崎恭志さん 場所福岡県玄海灘
備考水かます(水ガマス)と呼ぶ地域は非常に多い。 参考聞取 場所関東、神奈川県小田原市、静岡県伊東市富戸
備考単にカマス。と呼ばれることが多い。三重県鳥羽市・志摩市ではアカカマスを{荒肌(アラハダ)}といい単にカマスは本種のこと。 参考聞取、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所東京都、神奈川県など、三重県鳥羽市・志摩市、鹿児島県種子島
備考アカカマスはアカカマス。 参考聞取、『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所三重県尾鷲市、和歌山県塩屋、徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』