202308/16掲載

盆と台風の最中、ヤマトカマス発見! フライを作る

お盆を過ぎるとずんずん育つ


お盆もそうだが、2連発の台風で我が家だけではなく国内どこを見渡しても魚がない。我が家から歩いて行ける範囲に2軒のスーパーがある。一軒は解凍カツオと切身ばかりで何もなし、熱風の中もう一軒に立ち寄ったら、大発見! 静岡県産のヤマトカマスがあった。4尾299円(税抜き)は安い。
ときどきアカカマスと比べる人がいる。書籍にもアカカマスの方が上とかあるけれど、鮮度落ちが早いという難点があるものの値段が安い上に、料理法によってはアカカマス以上にうまいのだ。
もっとちゃんと魚の知識を身につけて発言したり、書いたりしてもらいたいものだと思う。
さて、アカカマスと本種の違いは水分にありだ。本種は古くなるとどうしても水が出る。だから普通の流通では両種に差が出てしまう。
並べて測定すると生後1年未満、体調22cm・70g前後である。安売りで人気のスーパーの割りに鮮度はいい。
これが中秋にむけてずんずん大きく育つ。


今回は本種で一番の料理、フライにするつもりなので、帰宅後測定してさっさと開く。
腹開きにして水分をよく取るために、振り塩をしてペーパータオルにくるんで冷蔵庫に放り込む。
揚げる直前に取り出して、再度余分な水分を取る。
コショウと乾燥パセリを振り、小麦粉をまぶし、溶き卵をくぐらせて、パン粉をつけて高温で揚げる。

揚げたてがうまいのは当たり前だけど


まだ表面がプチプチしているのを食べて、味見する。
しなければよかったと思うくらい頗る付きにうまい。
揚げたてフライがうまいのは当たり前だけど、ヤマトカマス独特の風味が溢れてくる。
丸のまま並べるとあっと言う間になくなりそうな気がして真半分に切る。

ついつい忙しなく口に放り込む


後の3枚は蝉時雨を聞きながら、しみじみ味わいたいと思ったものの、矢鱈にあっけなく胃袋へと消えて行く。
最上級のシテに、脇は偽ビールだけど、素晴らしい一瞬である。
ヤマトカマスの皮の、独特の風味が余韻として残っている。
この青魚的な部分こそ、アジフライの味と同じ味の方向性、魅力なのだ。
しかもアジフライとは別の、より皮めいた味だし、こくがある。
もっとゆっくり食べればよかった、と毎回思っている気がする。

このコラムに関係する種

ヤマトカマスのサムネイル写真
ヤマトカマスJapanese barracuda海水魚。沿岸の浅場。新潟県〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、北海道〜九州南岸の太平洋沿岸、小笠原諸島、瀬戸内海。朝鮮・・・・
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