202010/17掲載
カマス煮干し
主に西日本で作られている

アカカマス 煮干し
漁業の町は漁師さんが魚をとる。当たり前だけどそれが核になるが、ただこれだけでは町は成り立たない。
漁獲したもので鮮魚で出荷できるものは出荷する。それ以上に加工しないとダメなものを最適な方法で加工する。
カマス類は九州から北海道まで、日本各地で漁獲され、量的にも多く重要なものとなっている。沿岸域で産卵するので稚魚から漁獲されている。
稚魚はシラス漁に混ざると、多くが廃棄される。ただこれは産地での努力で出荷はできる。
問題は鮮魚でも出荷できず、干ものなどにも加工できないサイズである。
四国や九州ではこれを煮干しにする。やや強めの塩水で煮て放冷して干し上げたもの。この塩水で煮て放冷、干し上げて保存するというのは日本全国で行われていたのだと思う。
ただこの煮干しの多様性がなくなりつつある。この煮干し加工のあるなしは、漁業の町を構築する上でも重要なポイントだと思う。
カマス煮干しでだしをとる

アカカマス煮干し、昆布、水
- 1煮干しは頭部を取り、鰓を取り去る。身を半割にして内臓をとる。硬いときにはキッチンバサミなどを使ってもいい。
- 2鍋に昆布、バラしたカマス煮干し、水を入れて数時間、できれば半日置く。夏などは冷蔵庫に入れて置くといい。
- 3ガス台にのせて弱火でゆっくり煮立たせる。昆布は風味が出たら早めに出す。
- 4これを濾す。
サトイモ・ジャガイモに合う

サトイモの煮物
みそ汁などに使ってもいいが、野菜、特に芋類と相性がいい。
ここではサトイモ(赤芽芋)を白水で下煮しておか上げ。これをカマスだし、みりん、薄口醤油でことことと煮上げたもの。
カマスだしは味の点からするとあくまでも脇役で、余計な雑味がない。芋のおいしさを引き出す。