ツクシトビウオ
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郷土料理
冷や汁(焼く)・長崎県雲仙市富津の冷や汁郷土料理
もみこみ・つかんまぜ
魚貝の物知り度 | ★★★ 知っていたら通人級 |
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食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★ 美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区新骨亜区正新骨下区棘鰭上目スメグマモルフ系トウゴロウイワシ亜系ダツ目トビウオ亜目トビウオ科ハマトビウオ属
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外国名 | 英名/Flyingfish, Narrowtongue flyingfish
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学名 | Cypselurus doederleini (Steindachner, 1887)
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漢字・学名由来 | 漢字 筑紫飛魚 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。
北海道石狩湾〜九州西岸の日本海・東シナ海、北海道尻臼〜仙台湾の太平洋沿岸、房総半島東岸〜屋久島の太平洋沿岸。
朝鮮半島南岸、希にピーター大帝湾
生態
トビウオ類ではもっとも岸寄りを回遊する。
産卵期は5月から8月くらいまで(8月初旬の太平洋岩手県産のものに抱卵個体が見られる。
基本情報
国内で食用とするトビウオは大型のハマトビウオと、中型のトビウオ、ツクシトビウオ、小型種のホソトビウオの4種類。日本海を北上するもの群れが国内では最大のもので、多くがホソトビウオ、そしてツクシトビウオの2種。
晩春に長崎県などでとれはじめ、夏に漁の盛りを迎える。日本海の夏の風物詩でもある。
小さいホソトビウオは鮮魚としてはあまり出回らず、練り製品や煮干し(焼き干し)、干ものなどになる。
ツクシトビウオはホソトビウオよりも鮮魚として出回ることが多い。また卵巣だけ売られていることもある。
生で食べても、総菜などにしてもおいしい。
水産基本情報
市場での評価 トビウオ類では鮮魚としてもっともまとまって入荷してくるもの。春に入荷するハマトビウオに対して夏トビの名がある。値段は安くて安定している。
漁法 流し刺し網、定置網、巻き網、底曳き網
主な産地 長崎県、島根県、山口県
選び方・食べ方・その他
選び方
さわってシッカリしているもの。腹が軟らかいものは古い。背は黒く、腹は銀色に輝いているもの。鰓が鮮紅色のもの。
味わい
旬は晩春〜夏。産卵回遊して北上してくるものを漁獲していて、漁の盛期と旬が重なる。
鱗は薄く大きく取れやすい。骨は中骨が硬く、血合い骨はやや硬い。
透明感のある赤みを帯びた身で血合いが大きい。熱を通すと締まる。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
乾物・干物 長崎県「あごだし」。
あごだし 煮干しにするのはホソトビウオが主だが、ツクシトビウオも使われている。[カネタ 高橋商店 島根県松江市鹿島町]
釣り情報
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歴史・ことわざなど
大阪府南河内山村 「八月六日ころまでに、嫁が実家に、そうめんを重箱いっぱいと、とびうおの塩干ものを重箱のふたを逆さにした上にのせて持って行く。これを「盆だて」という。実家では半分を受け取り、残りを返す」。[大阪府南河内山村 トビウオ種不明]
大阪府南河内山村 お盆には塩干しとびうおの焼いたものと、じゃがいも、焼き麩、湯葉、かんぴょうの煮ものを食べる。[大阪府南河内山村 トビウオ種不明]
東京都 「私ら市場関係者は、取引を簡明にするため、魚体の大小を区別している。成熟魚(大型 かくとび)を角飛、次を中飛(ちゅうとび)、小型は蠅飛(はいとび)」。中飛がツクシトビウオではないかと思われる。『干もの塩もの』(石黒正吉 毎日新聞社)
地方名・市場名
備考ホソトビウオとともに。 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所長崎県、福岡県、山口県、島根県、鹿児島県種子島
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島
ヘイジロー
サイズ / 時期幼魚 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島
場所兵庫県但馬地方
備考島根県では同時にとれるホソトビウオをコメ(小目)、ツクシトビウオをオオメ(大目)。 場所島根県
場所関東の市場
参考文献より。