逃げる2月の小田原魚市場そばの朝ご飯
究極の料理は金を出せば食えるが、平凡うまい飯は金を撒いても食えない

さて、港のおっかさんのところにも最近、観光客の方達が増えている。たぶん新鮮な魚目当てだろう。
でも、おっかさんの店は8時前くらいまでは魚市場関係者のための店で、観光客の方達はそんなに早く来ない方がいいよ、といいたい。
小田原魚市場のある早川漁港の地元の魚介類の競りが終わるのは、午前7時から7時半の間である。陸送(他の産地)ものや地物を競り人達が整理し終わるのは、日によって変わるけど、かなり後になる。
だから「市場人の時間」に来ても新鮮な魚が食べられるとは限らない。
まあ、定番的なものはあり、それが実にうまいのだけれど、スタンバイできてから来た方が品書きも多いし、より新鮮なものが食べられる。
余談になるが、昔、築地時代に市場グルメなどと騒がれたことがあったが、明らかに市場人とは関係のない人間が作り出した、市場人とは無関係な話だ。
市場人はそんなに「さかなさかな」していない。
例えば現在の豊洲だって市場人の主食は、売店の菓子パンだったり、カップ麺だったり、ちょっと高級なところで弁当だし、吉野ややカレーだったりする。
豊洲場内の上の階で市場人を見かける店は2、3軒しかない。
これは築地時代から変わらない。
観光客は市場の食堂から市場人を完全に駆逐したのだ。
ボクなど結局、市場グルメにはとてもなれなくて、小田原魚市場そば、港のおっかさんのところで、うますぎる平凡な朝ご飯を食べることを生きがいとしている。
2024年12月16日も、神奈川県小田原市、小田原魚市場そば、港のおっかさんのところで市場人のための市場飯を食べる。この日は目玉焼きと煮つけである。
この実に平凡だけど、実にうまいめしを表現することは非常に難しい。
平凡ウマイな料理がいちばん難しく、食べる側もうまさを伝えることが難しい。