テナガダラ

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70cm TL を超える。頭部が大きく尾に向かって細る。口は下に向かって伸びる。目から吻までは短く、吻端(一番前の部分)は若い個体は短いが尖っていて、大型個体だけ鈍く丸味がある。眼窩隆起線は目の前方で湾曲する(目の下の吻から鰓蓋骨にかけての線は湾曲する)。鰓条骨は6。第1背鰭第2棘の前縁はなぜてもすべすべして引っかからない。胸鰭は他のソコダラ科の魚と比べると長い。TRa(第1背鰭中央下鱗数)4.5〜6。[58cm TL・492g]
口は下に向かって伸びる。目から吻までは短く、吻端(一番前の部分)は若い個体は短いが尖っていて、大型個体だけ鈍く丸味がある。眼窩隆起線は目の前方で湾曲する(目の下の吻から鰓蓋骨にかけての線は湾曲する)。鰓条骨は6。第1背鰭第2棘の前縁はなぜてもすべすべして引っかからない。胸鰭は他のソコダラ科の魚と比べると長い。TRa(第1背鰭中央下鱗数)4.5〜6。[吻端は尖っている。58cm TL・492g]
口は下に向かって伸びる。目から吻までは短く、吻端(一番前の部分)は若い個体は短いが尖っていて、大型個体だけ鈍く丸味がある。眼窩隆起線は目の前方で湾曲する(目の下の吻から鰓蓋骨にかけての線は湾曲する)。鰓条骨は6。第1背鰭第2棘の前縁はなぜてもすべすべして引っかからない。胸鰭は他のソコダラ科の魚と比べると長い。TRa(第1背鰭中央下鱗数)4.5〜6。[吻端は丸味を帯びている]
前方から見ると若い個体は四角錐で先が尖っている。成長すると先端が丸くなる。[58cm TL・492g]
口は下に向かって伸びる。目から吻までは短く、吻端(一番前の部分)は若い個体は短いが尖っている(大型個体だけ鈍く丸味がある)。眼窩隆起線は目の前方で湾曲する(目の下の吻から鰓蓋骨にかけての線は湾曲する)。[58cm TL・492g]
鰓条骨は6。
珍魚度・珍しさ★★★★
めったに出合えない
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱新鰭区真骨亜区正真骨下区側鰭上目タラ目ソコダラ科トウジン属
外国名
Bighand grenadier
学名
Coelorinchus macrochir (Günther, 1877)
漢字・学名由来
漢字 手長鱈 Tenagadara
由来・語源 手(胸鰭)の長いタラ(ソコダラ)の仲間。
〈無棘亞目ソコダラ科テナガダラ屬 Abyssicola macrochir  〔相模湾〕〉『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
種小名/macrochir 大きな(macro)手(chir)という意味で、手は胸鰭のこと。標準和名もここからとったのだと考えている。『日本産魚類全種の学名 語源と解説』(中坊徹次・平嶋義宏 東海大学出版部 2015)

胸鰭を手と考えた 魚の胸鰭は四足動物の前脚に将来変化する。本種の胸鰭はソコダラ科の中でも取り分け長いことから、「胸鰭=手(前脚)」と考えて「手長鱈」となる。
Günther,
Albert Karl Ludwig Gotthilf Günther (アルベルト・ギュンター 1830-1914 ドイツ→イギリス)。動物学者。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。水深158-1180mの砂泥地。
北海道・[苫小牧沖]〜土佐湾の太平洋沿岸、豊後水道、新潟県、福井県、沖縄舟状海盆。
朝鮮半島蔚山、オホーツク海南西部。

生態

基本情報

北海道、三陸、相模湾、駿河湾、愛知県、三重県、土佐湾などの深海からときどき水揚げがある。2023年、苫小牧沖ではスケトウダラの刺網に多数混ざるようである。
深海魚で見た目の不気味さから人気がないが、実は非常に美味な魚である。
珍魚度 深海の底曳き網でも希に揚がるもので、ぎりぎり珍魚としてもいいだろう。ときにまとまって揚がるが予想できない。入手困難な魚である。

水産基本情報

市場での評価/底曳き網などで希に揚がるもの。一定の評価はない。
漁法/底曳き網、刺網
産地/北海道、静岡県、三重県

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもの。黒みの強いもの。

味わい

旬は不明。秋から早春にかけての寒い時季ではないかと考えている。
鱗はトゲトゲしているが取りやすい。皮は厚みがあってやや強い。骨は柔らかい。
血合いの弱い白身で熱を通しても柔らかい。肝が非常においしい。
小骨がなく非常に下ろしやすい魚で、ある意味、手間のいらない魚でもある。見た目にごまかされないでもっと利用して欲しい魚のひとつ。

比較的大きな肝を持っていて、寒い時季は色合いが白っぽく脂を多く含んでいる。熱を通して口に含むと甘味もうま味も強く、口溶け感が心地よい。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

テナガダラの料理・レシピ・食べ方/汁(みそ汁)、煮る(煮つけ)、揚げる(フライ、唐揚げ)、ソテー(ムニエル)、焼く(みそ焼き、塩焼き)、生食(なめろう・みそたたき)
テナガダラの肝入りみそ汁 いちばんうまいのは肝かも知れない。この肝を生かすのは茨城県の「あんこうのどぶ汁」のようなみそ仕立ての汁にすべきかも。
水洗いして肝を取り分けて置く。頭部や中骨などは適当に切り、湯通しして鱗などはこそげ落とす。水分をよくきり、水から煮出してみりんを少量加え、白みそ、八丁みそをすり鉢ですり、肝も加えて吸ったものを溶き入れる。
濃厚な味なので少量で充分満足感がある。酒の肴にも、ご飯にもとても合う。

テナガダラのちり鍋 スケトウダラのちり鍋はとても味わい深いが本種も変わらない。水洗いして体幹部分を骨つきのまま適当に切る。湯通しして冷水に落として残った鱗とぬめりを流す。ザルなどに上げておく。このとき潰れやすいのでていねいにやる。これを昆布だしに酒・塩のつゆで煮ながら食べる。イヤミのない味わいでいくら食べても食べ飽きない。
テナガダラの煮つけ 頭部にはあまり筋肉がついていないがいいだしが出る。少々身をせせるのは煩わしいが、うまさはその煩わしさが気にならないほどの味である。水洗いして頭部を半割にする。湯通しして残った鱗などをこそげ落とす。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水を沸かした中で煮る。仕上げに肝を加えて火が通ったら出来上がる。
テナガダラのフライ 端的においしいのがフライである。くせのない上品な白身で筋肉の層が弱く繋がって重なり合っている。熱を通しても縮ます、非常に芳醇に出来上がる。
水洗いして三枚に下ろす。頭部を落とすととても歩留まりが悪いものの、下ろすのはいとも簡単で小骨がほとんどない。こんなに使いやすい魚はめったにないだろう。
揚げると非常に柔らかく、うま味を含んだ肉汁が筋肉の層に満ちている。たっぷり食べても飽きの来ない味である。

テナガダラの唐揚げ 尾は無駄に長いようにも思えるが、揚げるとさくさくと香ばしく面白い味わいになる。尾は単純に切り落とす。ウロ尾などはそのままに水分をよくきり、片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げにする。長い分、食べ応えがあって非常においしい。
テナガダラのムニエル まさにタラの仲間らしい上品な白身そのものである。水洗いして三枚に下ろして腹骨と血合い骨を取る。気になる骨はわずかなので非常に下ろしやすい。水分をよくきり、塩コショウして小麦粉をまぶしてじっくりソテーする。仕上げにバターで風味づけする。身を取り出し、エリンギとローズマリーでソースを作る。
テナガダラの肝みそ焼き 水洗いして三枚に下ろす。片身に弱い振り塩をする。水分が出て来たらていねいに拭き取る。肝はみそ・みりんと一緒にして叩いておく。身をじっくりと表面に焼き色がつくまで焼き上げる。焼き上がりに肝みそをのせて仕上げる。
テナガダラの兜焼き 頭部を塩焼きにする。頭部は梨子割りにする。振り塩をして少し寝かせ、水分をよくきりじっくり弱火で長時間かけて焼き上げる。焼き上がると全体に軽くふわふわしたものとなる。骨も身もそのままむしゃむしゃ食べられて非常に味わい深い。ある意味、珍味のようでもある。
テナガダラのみそたたき(なめろう) 今回のものは鮮度的にはぎりぎりだったので味見のために、みそたたきを作ってみた。アニサキスらしいものがいたので、三枚に下ろして皮を引いた身を1日冷凍する。解凍して細かく切り、みそ・ねぎ・ゆでた肝を加えて、たたく。しっかり魚のうま味がある上に肝が入ると途端に味にこくがでる。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど