キュウシュウヒゲ

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26cm TL 前後になる。第1背鰭と第2背鰭は接近していない。鰓条骨は6。吻は長くはないが尖っている。背鰭第2棘の前縁は滑らか。
鰓条骨は6。

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魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱新鰭区真骨亜区正真骨下区側鰭上目タラ目ソコダラ科トウジン属
外国名
Rat tail 臺灣腔吻鱈、
学名
Caelorinchus jordani Smith and Pope,1906
漢字・学名由来

漢字 九州髭 Kiushuhige
由来・語源 国内では鹿児島で採取されたもので記載したのだと思う。それで「きうしうひげ」となる。

地方名・市場名
アギナシ
参考『かごしまの魚譜』(今井貞彦 筑摩書房 1987 場所鹿児島 
シベンツボ[溲瓶壺]
場所鹿児島県垂水市 

概要

生息域

海水魚。水深143〜745メートル。
房総半島〜九州の太平洋沿岸、五島列島南西沖、尖閣諸島。
台湾北東部。東シナ海北東部大陸棚縁辺・斜面。

生態

基本情報

食用となるほど漁獲されているのは鹿児島県だけだと思う。ただし鹿児島県の底曳き網の獲物としては主要なものとは言えない。静岡県、愛知県などでは雑魚として扱われ、廃棄されることが多い。
下ろすのに手間がかからない。味がいい魚であるなど、もっと注目を浴びてもいいと思う。鹿児島などに行ったらぜひ食べてみて欲しい。

水産基本情報

市場での評価 鹿児島などでは徐々に流通に乗り始めている。今は安いが、非常に味のいい魚なので一定の評価を得そうだ。
漁法 底曳き網
産地 鹿児島県

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りがあり、銀色の体側の美しいもの。

味わい

旬は寒い時期。
鱗は薄く手で簡単にとれる。皮は柔らかい。骨はやや硬い。
血合いのほとんど感じられない白身。骨などからいいだしが出る。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

キュウシュウヒゲの料理・レシピ・食べ方/生食(みそたたき、刺身)、揚げる(唐揚げ)、焼く(塩焼き)、汁(みそ汁)
キュウシュウヒゲの肝入りみそたたき(なめろう) くせのない白身ではあるが、鮮度落ちが早く、食感がすぐ悪くなる。水洗いして三枚に下ろす。腹骨を取り、皮を引き、湯引きした肝・みそ・ねぎ・しょうがの搾り汁と一緒に叩く。筋肉だけだとみそに負けてしまうが肝が入ると俄然、本種自体の味が勝つ。

キュウシュウヒゲの煮つけ 鱗を取り頭部を落とすと同時に内臓もとる。汚れを流して、湯通しする。冷水に落とし残った鱗とぬめりを流し水分をよくきり、酒・醤油・水、しょうが(仕上げにしぼってもいい)で煮る。みりん、砂糖で甘くするとご飯に合う。身離れがよく身に甘みがある。いいだしが出るので、ご飯のおかずにして汁をかけながら食べるといい。
キュウシュウヒゲの唐揚げ 骨が軟らかいので唐揚げに向いている。ざっと鱗を取り、頭部を除くだけで水洗いが完了する。水分をよくきり、片栗粉をまぶして揚げる。じっくり揚げると丸ごと食べられて非常に美味。
キュウシュウヒゲの塩焼き ざっと鱗を取る。頭部と内臓を取り、ざっと流水で洗い、水分をきる。振り塩をしてしばらく置き、じっくりと焼き上げる。少し干してもいい。骨が柔らかいので中骨以外は食べても大丈夫。独特の風味があっておいしい。
キュウシュウヒゲのみそ汁 ざっと鱗を取り、頭部と内臓を取る。湯通ししてぬめりや残った鱗を流す。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。思った以上においしいだしが出る。中骨以外は気にならず意外にも食べやすい。

好んで食べる地域・名物料理

鹿児島県垂水市・鹿児島市など。
しべんつぼの刺身 鹿児島湾の深場の底曳き網(とんとこ漁)の主な獲物はエビ類だ。小さなヒメアマエビなどを選別するので時間がかかる。選別中にお腹がすくと、手でさばき、水洗いしてそのまま生で食べる。腹の骨などは軟らかく、口に入ってもあまり気にならない。豊かなうま味があり、柔らかな骨と筋肉の食感も心地よい。非常においしい。

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど