関西にあって関東にないポークチャップ
たぶんケチャップが珍しい時代があって生まれたんだと思う
『木皿食堂』に熱中している。ベッドでは、曲亭馬琴やベルツの世界にいないといけないし、ちょっとだけ平安時代なのに、読んではいけない禁断の世界に落ち込んでしまっている。
著者の女鹿年季子は神戸在住で、ポークチャップ(ポークチョップ)を食べているときのことが出ている。これだけでも今どきの、人ではないことがわかる。
「ポークチャップ」は昔、2つの顔を持つ尼崎(兵庫県尼崎市)のざわざわした方の食堂で一度だけ食べている。
ついで書いておくが、尼崎はこのざわざわした阪神めいた南の方が、パルナスの喫茶店もあるし(今もあるかわからないけど)、で好きだ。商店街に阪神の歌(たぶん)ががんがんに流れて、マジック70とかあって意味不明なところもいいし、オバチャン、オッチャン、バアチャン、ジイチャンの野球帽比率が高いのもすごい。
商店街にあるへんな物体を眺めていると、肩に抱きついてきたオッチャンに、「旅の人でっか?」と聞かれてうなずくと、「阪神タイガースは大阪ちゃいます、尼崎です(ともに意訳)」とか、言われて、ビックリして逃げたことがあるのも、南の尼崎の魅力だろう。
閑話休題。
おいしいかったのか、といったら「?」だった。どこかしらもの足りない思いしかボクの脳みそには残っていない。
たぶんこの料理、関西では普通だけど、関東にはない、のではないか? とすると関西発祥(大げさだけど)かもしれない。
味はケチャップそのものだった気がする。ケチャップを使っているだけでオシャレ、といった時代があったんだと思う。
「ポークチャップ」か? 「ポークチャップ」か?
『木皿食堂』のその場面のページにもどれないので、念のために女鹿年季子が食べたのは「ポークチャップ」だったか「ポークチョップ」だったか確認する時間がない、こともつけ加えておく。
尼崎で食べたときの壁の品書きはあるが、現物の写真がどうしても出てこない。
が、再現したくなった。甘くて、玉ねぎとケチャップの味で、と想い出し想い出し作ってみた。
意外においしいな、と思うけど、これが本当に「ポークチャップ」もしくは「ポークチャップ」なのか?
女鹿年季子はボクと同級生か学年が一年下だと思う。
有名なシナリオライターで夫の和泉努と二人で木皿泉だ。
ドラマは一度も見ていないけどシナリオ集を読んでも面白い。
このままいくと文庫読破しそうで恐い。