202507/05掲載

浜名湖雄踏、夏の「ちんた」は小なれどうまし

血抜きしていないのに身色がきれい


浜名湖の雄踏漁協で「ちんた(クロダイ)」をいただいた。
浜名湖では300g以下を「ちんた」、以上を「くろだい」という。
今回の体長19cm・195g は競りに出すともなく、放流することになるらしい。
ちなみに1㎏前後は競り場に生きた状態で並んでいたし、直売所では刺身が売られていた。

これを活かして持ち帰っている途中、高速道路上で後ろからバシャバシャと音がする。
PAに入って見ると、「ちんた」が大暴れをしているではないか。
仕方なく締めて、血抜きしないで持ち帰った。
暴れたせいで尾鰭がぼろぼろ、決していい状態とは言えない。

帰り着いた日に下ろして翌日刺身にする。
大きさも、漁の後のボクの締め方にも、期待できるところはなにもない。

ところが、これがうまかったのである。
脂はないが、味がある。
口に入れてすぐに甘味とうま味があり、中だるみがない。
「ちんた」は「ちんた」なりのおいしさがあるのだな、なんて思ったものだ。
ついでに言えば水域での汚れや汚染に影響を受けやすい魚だが、浜名湖はこの点からしても大丈夫らしい。

日本全国どこにでもいるクロダイ


クロダイは琉球列島をのぞく全国の浅い内湾、汽水域に生息している。
ある意味どこにでもいる魚で、東京都内ではスカイツリーの真下、北十間川でも見ている。
雑食性でなんでも食べる魚で、水域の汚染などの影響を受けやすい。
また成長にともない呼び名がかわる出世魚である。

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クロダイのサムネイル写真
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